本のレビュー7②【決算書ナゾトキトレーニング】村上茂久著

著書は大学・大学院卒業後バンカーとして働きながら経済と金融の読書会などを多数行ってきた方である。現在はコンサルタント会社でCFOをしながら今年には財務コンサルティング会社を創業された方で『理論と実務の架け橋』を人生のコンセプトとして活動されている。 前半のまとめは前のブログ(https://www.shinichiroyano.com/2021/12/28/本のレビュー7①【決算書ナゾトキトレーニング】/)に書いたので今回は続きである。

第五章では『決算書』の読み方はプロでも差が出るということについて書いてある。

企業の情報はIR(Investor Relation)の三つの一次情報から得ることの大切さを説く。その三つは有価証券報告書、決算短信、決算説明資料。さらにこの三つに加えて非財務情報例えばESGに対する活動などは統合報告書を見るとよい。

有価証券報告書公認会計士が監査したものでもっとも信頼性がある
決算短信監査が法律上は求められていないが、速報性に優れている
決算説明資料決算の情報がわかりやすくまとめれているダイジェスト版
統合報告書企業に関する非財務情報が書かれている
決算書の種類

著者が主張しているのは読み解く視点を増やすということ。例えば銀行が融資するときに判断するときと、株主が株式投資するとき決算書の見方は違う。融資する側から見るのは企業の安定性。デットを見る。ここではB/Sの観点では自己資本比率や流動性比率、P/Lの観点からは黒字かどうかが大切。株式投資の視点からはエクイティを見る。グロース株とバリュー株ではまた見方が違う。グロース株ならば長期的な成長率をPERやPSRで見たり、バリュー株だと同業の他社などと比べてPBRやPERがどうなっているかどうかを見る。融資側と投資側は利益が相反するときがあることを留意しておくべき。最後にアセットの視点も重要である。

僕個人的にはグロース株にバリュー株両方投資をするが意識的に分けてはいてもあまりそれぞれの立場で企業をチェックするということを怠ってしまうことがある。これはただのめんどくさがりなのだが、どの株に投資しているときにでもいろんな方向で会社を見てみて問うことは大事だとこの章を読んで思った。

著者が示すように三つの視点(負債、純資産、資産それぞれの利害関係)というものを教えてもらうことでこの三つの視点でとりあえず見てみようと重要な視点をもらったと思う。会計の本を読んでもそれぞれの方法をたくさん教えている(ように受け取ってしまう)だけで正直何から始めたらいいかわからない人がほとんどだと思う。とりあえずこの三つの視点からみてみる、それにはどの指標を見ようかと考えるだけでかなり展望が開けると思う。

第六章では『エーザイ』を題材にESG経営について、

ここまでくると最近話題のESG経営などについてはどのように決算書で情報をとり判断すればいいかクリアになってくる。ESG投資は世界の潮流になっていて、私個人的にはESG投資に対してかなり懐疑的なところがあるが、まあお金の流れ的にはもうそうなっていて抗いようもない。ここでもポイントは先の章を通してわかったように非財務情報をどこで手に入れるか?がわかってきたと思う。

著者は2006年当時の国連事務総長だったコフィ―・アナン氏が機関投資家に対して責任投資原則(PRI)について説明している。

エーザイは売上高は日本の製薬会社の中でも6位に甘んじているいるが、PBRで見ると2位に躍り出る。これは会計的な財務情報だけでなく、非財務情報を市場や投資家が評価していることになる。

ファイナンスで考えると企業の価値は究極的には2つの要素から構成されると著者は説く。それは『将来生み出すと予測されるキャッシュフロー』と『割引率』。

企業価値= 『将来生み出すと予測されるキャッシュフロー』÷『割引率』

事業におけるリスクが小さい企業ほど割引率が低く、リスクが大きい企業は割引率が高い。ESGの課題に向き合うことで、長期的なリスクを軽減できる。さらにエーザイが凄いのはパーパスという自社の存在意義まで意識して環境、社会、ガバナンス(ESG)経営してきたこと。こういった非財務情報を数値化して考えることは難しいことと考えられるが、エーザイはROESG(ROE+ESG)モデルを使っているという。

またエーザイは非財務情報を以下の5つに分解して考えている。

知的資本知的財産権や暗黙知を含む知識ベースの無形資産
人的資本従業員の能力、経験、意欲など
製造資本製品・サービスを作り出す力
社会・関係資本社内外の人的ネットワーク
自然資本製品・サービスを提供するうえで利用できるあらゆる環境的リソース
エーザイが考えている非財務情報の5つの資本

なるほどかなり難しい非財務情報もクリアにはなってきた。おそらく決算書を読みながらこの会社は何を大切にしているか読みながらナゾトキをしていく必要があるのだなと思う。

そのあと著者は重回帰分析を説明しているが、ここはあえて説明は外そうと思う。科学者の私からしてはこの重回帰分析はなんというか少しあまり心地が良くない。とはいえ著者の説明に何ら問題があるわけでも反対があるわけでもない。ここでは逆に一物理学者の観点からしてコメントしておこうかなと思う。

このように重回帰分析などをして会社や組織が重要なパラメータを抽出してたとえばKPI(重要業績評価指標)などと名前を付けてそのKPIを改善することを目標とするようになる。このことは全くもって悪いことではない。私にもこのKPIという言葉を私のような科学者にも求めるようになってきた偉い人々がいて、KPIをなんとかしろみたいなことを言うようになってきて戸惑うということは多くなってきた。面白いことにKPIを設定する人とはほとんど会話もしたことないし、また彼らを現場にみたこともないのにある日突然KPIが上から降ってくるということ。そしてデータドリブンなどといってくる。愚痴になってきたが。

ここで愚痴はやめて、科学者からのコメントを入れるとすれば目的と目標をしっかり意識しておくことをお勧めしたい。もともと(重々説明しておくがエーザイに対して何かを言っているわけではない)目的があってその目標としてみるべき指標が出てくるものだとおもう。しかしながら人は容易にそれを忘れてしまって目的と目標の入れ替えが起こってしまうように見える。そして目的のために目標があり、目標達成をモニターするためにデータを取り始めるのだが、えてして取るデータは得られやすいものにしてしまうということ。そしてそれにとらわれて目的を失ってしまう組織や個人になってしまうと意味がない。すこし抽象的なってきてわかりづらかったと思うが、例えば教育を考えるときには子供の学力の向上を目的として目標とするパラメータを導入する。しかし学力を評価するのは難しいため、簡単に計りやすいテストの点数などにしてデータを取り始めて、そして解析していくうちに、いつの間にかテストの点数があがる方法を考えるようになってしまうということ。たとえば科学者の場合は論文やその引用数が評価されるようになって科学者自体が科学の重要性や面白さなしにたくさんの論文を書いたり引用されやすいテーマを選んだりする。ビジネスも似たような側面があると思う、カンパニーは会社の意味だが仲間の意味もあると思う。何か人に役に立つことだったり、問題を解決するために、まあお金を稼ぐためにっていう人もいるかもしれないが、仲間を集めて作った組織がいつの間にかお金や利益や地位だったりというわかりやすい評価に惑わされて粉飾決算まで起こしてしまうことは滑稽にも思えてくる。科学者や科学者を管理する人々にも、信じられないかもしれないが、論文の数や引用数などでマウントを取ってくる人がいるのだが、果たして世の中はよくなっていくのだろうか。

なので私個人としてはこういった KPI や重回帰分析などをして会社や組織が重要なパラメータを抽出してたとえばKPI(重要業績評価指標)などの単語を真面目に発して社員をコントロールしてくるような人間や組織の言っていることは話半分で聞いておこうという心の余裕を持っていくことをお勧めする。 ある日突然上司がなにか重要そうなパラメータを連呼しだし、何が何でも達成しろなどと言い出したら、とりあえずスタバでも行こう。

第七章では『電通』を題材に企業の値段というものを考える。

会社の値段には4つの種類があると説明している

値段意味算定方法
簿価過去の企業活動の積み上げ決算書
時価上の簿価を現在価値で再評価ファイナンシャルアドバイザーが算出
買取価格買収者の評価評価額×株式数
時価総額上場企業の場合、市場が評価した値段一株あたりの時価×株式数
4つの会社の値段

ここで4つの値段を説明したあと無形の資産『のれん』の説明をしている。『のれん』は企業が買収した先の純資産の時価を計算したうえで、その時価をこえる価格で企業を買収したとき、その差額を『のれん』として自社のB/Sに計上する。『のれん』はブランド力などといった無形資産。電通の巨額損失は『のれん』の減損である様子が本書で細かく説明されている。つまり電通がこれまでに買収してきた企業の価値が下がったことで減損損失を計上した、一方でキャッシュフローの観点ではあまり問題はないということが書かれている。今のところは大丈夫ではあるがこの広告マーケットの行く末次第ではこの『のれん』が電通の足元をすくう可能性もあるかもしれない。

『のれん』についてはなかなか僕らのような門外漢には想像もできない。改めて会計・ファイナンスのプロの凄さを知らされた感じだ。とても勉強になった。

ここまで書いたが私自身は会計やファイナンスを正攻法で勉強した来たことがないので間違えもたくさんあると思うし、ほとんどは著者の説明を拝借した。ただしまとめることで理解がたくさん進んだのも確かでこれからも著者の言うようにいろいろな見方を進んで勉強していこうと思う。ナゾトキトレーニングという本のタイトルは面白くてよかったと思うし。私のような素人こそ決算書を読むときにナゾトキをしていた気がする。しかも解けたこともないが、悩みながら因数分解をしている感じである。たとえばプロの方は5+7=12というような見方ができるかもしれないが私の場合は12が先に決算書にあってそれを5+7などと要素に分解しようとしていくが実際は言葉の定義などが頭に入っていなくてイメージ先行でそれぞれに分解しまい、後で足して12にならずに悩んだりしてしまう。

とにかくこれからも著者にはたくさんのテーマで執筆していただきたくさんの視点を提供していただけると大変ありがたいので続編の登場を期待している。

I should have never given up.

Last night, I had an online meeting. The meeting is about the recently published book by my friend. The book has much good analysis on the companies I am interested in, such as Softbank group, Amazon. I wrote a review in Japanese. The meeting was great, I have learnt so much. I do invest in Australian shares however I have never learnt accounting and financing in proper ways. I always try reading some accounting book described by someone to get some ideas.

By reading the book, because I was trying to write a blog for it and I was trying to attend the meeting, I read the book better than usual. So I realized I should do this every time. Like practising the guitar before a concert, I haven’t practised well since I have been just practising. Writing this blog was supposed to be like this. I learn better because I am trying to understand to teach. I have been thinking of learning Chinese, English, and Japanese here. Learning all three languages just takes time so I have to find a way to speed up. For that, there is always a need to be an improvement for language learning, vocabulary and grammar especially I am not native to these two languages other than Japanese.

Learning grammar and vocabulary does not make me happy. It is much easier just to watch Youtube to have fun. I could write English a little like this but there has not been improved much. My goal is to read books in these three languages so I can write better. So then, what do I expect? Let’s learn three languages again. More importantly, maybe I can do this in every three languages. I just give up reading why? I put a mental barrier for starting reading and writing. I can do reading and practise three languages. Maybe I should not think I should spend some time reading in every three languages every day, let’s decide like writing this blog, I will read the books (or stories for now in Chinese) in one language a day.

In the end, understandings of all three languages help. During a holiday like this, I should prepare more blog posts prepared so I can publish them every day. So try it. So tomorrow I will learn Chinese. I will prepare two new articles to finish tomorrow. There is no end to learning. I should not give up on reading. I should keep training my language skills.

For English, maybe I am reading faster than I should. I will review something small. Book reviews might have been too much for me? Maybe. So then, maybe I will write a review chapter by chapter, so I can understand better about the book even I am learning slow. I also can do a Great course, instead of writing a big blog to finish like paper, the small victories could be the ones I should have. So let’s do this. Even I can’t finish them all, I should have plans and finish them. I will do this in all three languages. So I can improve my language proficiency.

本のレビュー7①【決算書ナゾトキトレーニング】村上茂久著

著者は大学・大学院卒業後バンカーとして働きながら経済と金融の読書会などを多数行ってきた方である。現在はコンサルタント会社でCFOをしながら今年には財務コンサルティング会社を創業された方で『理論と実務の架け橋』を人生のコンセプトとして活動されている。

私自身は物理学者で株式投資(オーストラリア株中心)をするために決算書を読み始めて少しづつ理解を深めていこうとしている。我々のような会計を理論も実務も勉強したことない素人からすると実際にどこから勉強していいのかわからず決算書を見ながら少しづつわからないことを埋めるように勉強していくしかない。こういった本は本当に助かり今回も大変勉強になった。

本書では7章に分けて話題になっている企業について解説している。なかなかニュースを見ていてもわかっているつもりになっているもしくは実際に企業分析をして何が起きているかまでは追ったりすることはしていないと思う。

著者は今の時代に決算書を本質的に読めるようになるには①生きた決算書を元に②多様な視点から会計とファイナンスの知識を用いて③複雑なビジネスモデルを理解することが肝要だと説く。ここではそれぞれの章で学んだことをまとめていきたいと思う。

第一章では『メルカリ』という題材を元に赤字でも絶好調であるを示す。

損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)だけでなくキャッシュフロー(CF)計算書(C/S)を見ることの重要性を説いている。見るべきCFは三つあり、営業CFは本業の活動により稼いだもの、投資CFは設備投資や資産の売却によるもの、財務CFは資金調達や返済によるものである。著者は特に営業CFに注目せよと説く。これは営業活動から得られるキャッシュフローで簡単に言うと本業を通じてどれだけキャッシュが生まれたかを示している。

もう一つはネットデット=有利子負債ーキャッシュを財務体質を見る指標にしようということ。ネットデットがマイナスというのは実質無借金経営ということ。メルカリはネットデットは黒字になっている。

物理学者として参考になったのは育てる事業を見極めるPPMというところ。市場成長率と相対市場シェアで2×2のマトリックスを作り花形(Star)、金の成る木(Cash Cow)、問題児(Problem Child)、負け犬(Dog)とありそれぞれの事業から生まれるキャッシュフローを金の成る木から問題児へと再配分し問題児をできるだけ花形に成長させることを理想としている。一方負け犬への投資はできるだけ減らして、なるべく撤退することが望ましいとある。

私は物理学者だがこの研究成果を生み出すうえで無意識であるがこういうことを目指していた気がする。例えば私は今の管理している装置は花形や金の成る木から生み出せていてその成果が出ているからこそ未知の科学や技術(問題児)に研究資本を投入できる。未知の科学や技術はいまだにどう使われかも想像もできないため、周りからは需要が無いからやっても無駄とか、何やら誰も使わない難しい科学や技術に挑戦しているなどの批判(特に同じ科学者から)がされがちだが一度手法を確立してしまえば新たな市場(物理学の新分野)を開拓できる可能性がある。花形や金の成る木ができた後あとさらに新しい技術に挑戦するのは疑問にもたれたり、理解できる人がいないため正当な批判も得られないこともあり、政治的にはかなり難しい立場に置かれる。批判はつらいところだが、花形や金の成る木などで成果を挙げているからこそ、批判があっても進むことを黙認されるところだ。一方で負け犬への投資を下げることは政治的にはさらにもう少し難易度が高いかもしれない。装置の建設などに先行投資した場合既存の研究が負け犬でも何としても回収したいという政治的な思惑から負け犬でもとにかく装置を使えというプレッシャーがかかる。ここは難しいところだ。なぜなら研究の場合はやってみないとわからないことがあるし、その研究に対する私の判断が間違う可能性も多くある。なので一度は少なくとも負け犬と現在評価されている研究でもやってみる。どれが当たるのかわからないのだから。でも負け犬の難しいところは負け犬の理由があるということだ。大抵かなり高難易度の実験力と解析力が求められ研究資本を大きく投入しながら成果にならない苦悩の種になったりする、またなっても市場が大きくないため注目されないということもある。残念だが。一方でこれまでは負け犬として一昔前に科学者があきらてしまった課題が教科書や論文の片隅にあって忘れられていたりもする。当時では解決できなかった問題が数十年たって最新の理論や実験技術によって再度解決できうる問題になったりする。科学に対してはこれからも私なりの挑戦を続けて行きたい。

第二章ではほとんどのプロでも分析できなかった『ソフトバンクグループ』という巨大な企業群の決算書を読み解く

おそらくソフトバンクのことは日本人の誰しもが興味を持っていたとしても自分で分析して理解している人はほとんどいないだろう。ほとんどのプロでも孫さんの質問に答えられなかったというのだから。仕方ないので多くの素人やメディアはソフトバンクの決算が出たときには孫さんのプレゼンテーションをみてわかった気になったりしているのではないか?本書の解説にも出てくるようにとにかく関連企業が多すぎて素人では分析する時間なんて全く取れない。ソフトバンクグループは1400社ほどの子会社、500社ほどの関連会社の株式を所有している。

それらは以下の①連結子会社②持分法適用会社③ソフトバンクビジョンファンド(SVF)に分けることができるがこれら関連会社は ①ではソフトバンクKKやZホールディングス、②ではアリババ、③ではUber,Grab,Weworkなどがある。これらが本体のP/LとB/Sにどう連結されるか整理すると

連結P/Lに計上されるかどうか?①連結子会社 ②持分法適用会社 ③SVF
売上高
投資損益
当期純利益
連結P/Lに計上されるかどうか?
連結B/Sにどう計上されるか?

③SVFに関してはFVTPLといって金融資産の時価と簿価の差額を損益に反映させるという会計処理が行われるというので素人には全くノーアイデア。著者の説明を受け入れるだけだ。でもわかったことは、①連結子会社は簿価で計算される一方③SVF出資会社は時価が反映されると説明されている。また②の持分法適応会社は持ち分に応じて利益の一部がソフトバンクに計上される。例えばアリババは持分法適用会社であるから、持ち分に応じて利益の一部がソフトバンクに計上されるが株価は変動してもソフトバンクGの利益に直接は影響を与えないが、UberはSVFの出資先だから株価が変わることで時価が変わりそれに応じて ソフトバンクGの 利益が変動する。

したがってこれらの整理をするとどのセグメントがソフトバンクの当期純利益に寄与しているのかわかるようになる。セグメント別の利益はSVFがおよそ4兆円で71%、ソフトバンク事業が約8500億円で15%そしてSVF投資先の株式売却による実現損益が約7600億で13%ほど他は1%ほどしかない。ここからわかることはソフトバンクの利益の多くは含み益だったということ。ソフトバンクに投資をするかどうかはここらへんの構造を理解したうえでSVFが所有しているスタートアップ群が今後も時価を成長させ続けていくかどうかを信じられるかどうかというところか?リスクはかなり大きそうだがソフトバンクを所有することによりこれらのスタートアップ群が成長していくことを見守ることができる権利の一部としてとらえるならばSBGに投資をする価値もあると思える。

第三章では『Slack』という300億円赤字企業が3兆円で買収されたナゾを解く

Slack社はセールスフォースに約3兆円で買収されたが買収された時点では約300億円の赤字。どういう意図でセールスフォースはSlackを買収したのだろうか。ここで見るのは会社の値段である。ここでは純資産に着目する。これには二つの見方がある。

①純資産の簿価=過去における企業活動の蓄積=会計上の評価

②純資産の時価=未来を見据えたマーケットからの評価=ファイナンス上の評価

まず① 純資産の簿価 に関して図にすると簡単で

今回セールスフォースは純資産8.5億ドルのSlackを277億ドルで買収しようとしている。ということは純資産の(277/8.5)=約33倍で買収しようとしている。これはまさにPBR(株価÷一株当たりの純資産)と同じ考え方。PBR=1の場合は純資産の簿価と時価が同じ状態。PBR>1の場合は株主にとっては会計上の純資産の簿価よりも多くの価値を持っている状態でPBR<1の場合はその逆。ここでもセールスフォースによるSlackの評価が高すぎないか?と思えてくる。そこでPER(株価÷一株当たりの当期純利益)的な評価をしようとするがSlack社はまだ赤字。そこでPSR(株価÷一株当たりの売上高)を使う。計算をするとPSRでも33倍。まとめは本書の図表3-4が大変わかりやすい。つまり純資産から考えても今の売り上げから考えても33倍ほど高くセールスフォースはSlackを評価しているということになる。ここまでは①の考え方で過去つまりこれまでの成績、会計上の視点からの評価である。

では未来志向のファイナンス的にはどう考えるか?ここでSlackのP/Lを細かく見てみると開発費と広告宣伝費にお金を使うことで成長をしようとしているのがわかってくる。なぜこの宣伝広告費が高くてそれでも成長をしていく可能性があるのかがわかるように著者は説明を加えていく。ここでSaaSビジネスで理解する5つの指標が説明されている

指標日本語説明
CAC =Customer Acquition Cost顧客獲得コスト一人もしくは一社あたりの顧客獲得に要する費用
MRR = Monthy Recurring Revenue月次経常収益サブスクリプション等の経常的に計上される売上高や収入
LTV = Life Time Value顧客生涯価値一人もしくは一社あたりの顧客から生涯にわたって獲得できる収入
Churn rate 解約率すべてユーザーのうち、解約したユーザーの割合
NDR = Net Dollar Retention Rate売り上げ継続率一年前に獲得した既存顧客の売上高をどれだけ維持できるかの指標
SaaSを理解する5つの指標

まずCACはSlackは一社当たり一万ドルの顧客獲得費用を費やしている(新規有料顧客数÷セールス及びマーケティング費用)。次にMRRはSlackのようなビジネスはサブスクリプションで毎月毎月入ってくる収入でSlackは一顧客あたり550ドルを得ているので18.2カ月でCACを回収することになる。LTVでは一顧客あたりの収入×継続月収。これはLTV=一顧客あたりの収入÷Churn Rate(解約率)にしてもいい。ここから一万ドルを回収するためには18.2カ月以上継続してもらいたい、そのためには5.5%以下にChurn Rateは押さえなければいけない。凄いことにSlackの場合は逆に解約よりも既存の有料顧客が純増している状態。Slackはみんなが使っているから私らも使い始めようという状態になっている。NDRはすでに獲得した顧客の売上高をどれだけ維持できるかでSlackのNDRは120%以上を維持している。これらにより過去五年間Slackの年間収益は増え続けている。ここをセールスフォースは評価しているものと考えられる。

順風満帆のようだが後はマイクロソフトのTeamsとの戦い。(ちなみにうちの会社はTeams)今のところはTeamsの方が大きく成長しているとこのことでSlack側も焦りがあるのかもしれないというところ。私はまだまだ両方使いきれていないが私の研究所だと原子力関連施設でもあるからか特に情報管理が厳しくなかなか自由につかえず両方がうまく使えていないが、これからも両方試しながら今後を見守っていきたい。

第四章では『GAFA』の中でも売り上げがNo.1であるアマゾンについての深堀

アマゾンはいまだに売上高が年20-30%も成長しているモンスター企業。GAFAの中でも今は売上高No.1。アマゾンは利益ベースでみると減価償却費があるためあまり利益が出ていないように見えるがキャッシュベースでみると減価償却費は実際のキャッシュアウトはしないためキャッシュが残っている様子が見て取れる。この減価償却費の大きさを見るとアマゾンが過去にいかに多くの投資をしてきたことを示している。アマゾン自体はキャッシュを生み続ける経営をしているということになる。

ここではまず最初にCCC(Cash Conversion Cycle)で資金の回収期間を見ると

CCCの説明

アマゾンはCCCがなんとマイナス。ふつうは仕入れをして在庫をもって販売という流れ。プロセスは変わらないもののアマゾンの資金の流れは商品が売れて入金があって支払いの流れ。アマゾンのビジネスモデルはアマゾンが秘密主義であることからよくわかっていないこともあるが、アマゾンがモンスター企業であるからこそバーゲニングパワーが強く(強すぎて)こういったことが可能になっているかもしれない。

本書をここまで読み進めるとアマゾンは利益のほとんどを投資に回している企業という表現よりも『営業CF(一章に出てきた本業で稼いだCF)のほとんどを投資に回している』ということとが本書を読み進めるとわかってくる。ここで営業CFと投資CFからフリーCFを説明している。

フリーCF= 営業CF+投資CF

これは事業活動を通じて企業にのこり、自由に使えるお金になる。これがプラスであれば企業は銀行など債権者に返済したり、株主に資金を還元したり、さらに将来の投資にキャッシュを回したりできる。

そしてアマゾンは生み出したキャッシュで何に投資してきたのだろうか?大きな成果としては二つ。一つはAWS(アマゾンウェブサービス)もう一つは物流。アマゾンは今やEC事業の支えとなる物流とクラウドビジネスの上流を自前で押さえている点が凄い。上流を抑えているからこそBtoBが強くNetflix、Zoom、SlackなどはAWS上で動いているという。

ここまで第四章まで書いてきたが長くなってきたので二回に分けようと思う。読み流すこともできるがきちんと読むと大変重い本だった。。。。

我每天再试一次。

今天是星期一。我还有一周假期。我正在写很多但时间不够。我只需要一点一点地做。

我玩的很开心。假期里,我想做很多事。但我意识到这并不容易。我应该在我不假期的时候定期做这些。通过写作,我有很多的想法要写。与其写大事,不些小事。

我明天再试一次。我每天再试一次。

How to read a lot and improve English proficiency.

I am having a nice holiday. Although it isn’t productive as I thought. I have one more week to go. I really want to have some time to work on writing and reading I could not do them. I just bought a month subscription to Wondrium (former Great course plus), I should spend more time watching it also I wanted to have time to read my friend’s article which I had to pay to access.

Today, I was writing a review of the book my friend wrote. He wrote about accounting and finance to understand better on annual reports of companies. It has 7 sections in the books, I can learn a lot from each section. I am happy to read the book while the contents are dense. It takes a few hours for each to summarize and give comments on them. I am learning so much from the book. That’s what I actually thought I need to do. I should do the summary and writing when I am reading whatever. Writing helps me to understand better.

Somehow I drove too much the last few days, I could not take a good amount of time to write and read. I hope in the next few days I can do it.

For English, I started to think again, I want to educate myself again. I would like to improve my vocabulary and grammar. Improvement might not happen just one night but I decided to restart. My final goal is reading. I want to read whatever I want in English as I read in Japanese. So let’s do the grammar and vocabulary.

For the Chinese, it will take more time to improve it. So I will start writing my Chinese class here on this blog so I can learn more.

What else do I want? How can I read more? Maybe I should read easier books. Also, I will write here what I understand. I am learning all the time, we can read slowly so I can read better in the future. If I don’t understand, I should read slow or read a different topic. I should read what I can understand fully so I am learning the foreign language. I think reading is always good. I have given up many times, but this time is no. Maybe, I will do the vocabulary and grammar for 10 mins each every day. Sometimes I can do more I will do it more. Also, I want to read more books. Do not rush like last 10 years. This time I should finish all I should break the barrier of being afraid of reading books. I can do this. If I found something difficult to read I should give up reading it.

クリスマス

今日はクリスマスらしいことができて良かった。

それ以外はなかなか現状維持って感じかな。。今は特にカントの純粋理性批判の記事を書こうと踏ん張っているがこれにはほぼ終わりがない。どこまで説明するかに加えてきちんと構造を理解している気がしない。特に英語や日本語どちらの言語でももともとドイツ語なこともありさらに哲学用語なので全くしっくりこない。基本的にアイデアは理解してきたつもりではあるがまだまだ細かいところでロジックが自分の中で通っていないところもありまあ少しづつわかったところを記述して全体像をどうやって見てみるかといまだに想像している段階というところか。全体像が見えてくると少しづつ修正を加えながらブログに投稿していってもいいと思っている。

カントはなぜ今回終わらしたいかというと。もうここ数年カントで煮詰まっていてカントを理解してからではないと先に進みたくないという心理がなぜか働いていてここらへんで一区切りをつけて他の哲学者の勉強などをしていきたいと考えているからだ。純粋理性批判をまとめるとなると一つのブログでは済まなくなる。少なくともいくつかのブログになると思うがそうなるときちんと構造化して文章を書く必要が出てきてそう簡単ではない。

それ以外は今、決算書ナゾトキトレーニング(村上茂久著)を読み終えたところで、この本は学ぶところが多すぎてそれぞれの章に対して私なりのこのサマリーから自分がこの章から学んで物理にどう生かすかという視点から文章を書き加えていくことでもうすでに書くことが多くなりすぎていっているような感じがある。簡単にこの本は7章に分けれていてそれぞれで著者がどういった視点で決算書を読んでいるかその視点を与えてくれるのだが、それと同時に近年のビジネスモデルの解説などもありひとつの章を細かく読めば読むほど得られることが多くなるという構造になっている。なのでサマリーとレビューをすると終わらなくなりそうだ。。。とにかく書いていこうと思う。あと2,3日間の空いた時間に終わらせられるといいのだが。

ブログでは日本語、英語、中国語と書いてきたが、英語ではオーストラリア株の決算書を読んでいきまとめていきたいと考えている。後はゲーム理論を勉強しなおして書き直すか。いま会計とファイナンスの本を日本語で読んでいるがとにかくたくさん読んで理解を深めていきながら、解析は自分自身はただの素人なので自分自身の視点でまとめていく。そもそもこの会社ではこういう指標で評価したほうがいいからその方向でまとめてみましたレベルの記事しか書けないが。とにかく自分自身の納得感のために書き続けようと思う。自分の書きたいレベルまでもっていくのはなかなか大変だ。

中国語はもう一年間くらい毎日少しづつ勉強してきたがここから飛躍していくことはなかなか難しいだろう。これからは基礎を固めながら語彙や文法の理解を少しづつ増やしながら読解をしてもっと書いていきたいと思っている。毎日コツコツと語彙を増やしていくためにブログで書くアイデアが出てきたのでその記事の執筆を始めた。

そもそもブログのストックを集めて書きだめしながら毎日コツコツと書いていきたかったところだがそうもいかないものだな。日本語では本のレビュー、英語では株の分析、ゲーム理論、中国語では語彙や文法を書いていこうと思う。

よくよく考えてきたが自分の専門についてあまり書いてこなかった気がする。研究に対してはそもそも書けないのはわかるが毎日読んでいる教科書については書いても良いはずだ。。短い教科書などから書き直してもいいのかもしれない。それぞれの言語でしっかり自分の考えを表現できるように毎日こうやってブログを書いて準備していこうと思う。

What I want to do during this vacation

The vacation is going well. As always, I have many things I have in my mind so this time of year is a good time to think through. Let me review what I want to do during this vacation time with putting some priorities.

1. Establish the writing in three languages

So I have decided to write blogs for doing book reviews in Japanese, and writing ASX research in English, and I will write Chinese vocabulary and grammar in Chinese. So write more during this time and stock them.

1-1 Write a review for the book my friend wrote at first.

1-2 Write a blog post about Platinum Assets Limited group which is the 6th blog about the ASX company

1-3 Write the first blog about Chinese vocabulary.

2. Write essays about Kant philosophy

I want to finish off writing about Kant’s critique of pure reason. I also read and listen to courses to understand better. I want to finish this so I feel I can move on to other philosophers.

2-1 Write the first blog about Kant philosophy and decide how many blogs I should write to finish all. I want to have a rough picture of the whole story.

3. Practice the guitar

This time is a good chance to practice “Hotel California” I have tried many times but I failed to complete it.

4. Review the Game theory and finish a course in a Great course

I have a course I want to finish.

5. Study about the investment

I want to read several accounting books and I want to read all documents written by my friend. I want to do it in one month so I just need a monthly subscription.

They are already too many and it is getting late today. I will get back here with an update.

何度も書いている気がするが。

今日はしばらく溜まっていた読書や執筆や勉強などをしている。今回の休みのうちに勉強しなおしておきたいのはゲーム理論とカント哲学。カント哲学は主に純粋理性批判をまとめておいてきちんと理解して終わらせたいと思っている。哲学は特にカントをきちんと理解してから他の哲学者を学んでいきたいと思っている。自分自身は物理学者で物理学でキャリアを気づいてきたがここにきて哲学の理解をもう少し進めていきたいと考えている。今の物理学での実力とカント哲学で基礎を固めるとかなり哲学も勉強していけると考えている。カントがきちんとわかると自分なりのも整理がついてこれからの人生の指針も明確になってくる。

来年は2022年でちょうど40才になる年である。40になるとこれまでとは全く違うステージに行く感じがあるが、不惑の歳というがまあやるべきことは明確にはなってきたと思う。これまで20代30代とやってきたことで基礎ができてきて40代でしっかりと成果を残していきたいと思っているがもう自動というかやるべきことをこなしていくという感じだ。

今年はいろいろと学ぶことも多かった。物理学のキャリアとしてはやっと自分の道を歩き始めたという気がする。自分自身が起点となって始まるサイエンスも少しづつ出てきたように思う。それぞれでしっかり研究や実験を行って学びを増やしていこうと思う。台湾やオーストラリアや中国や日本での影響力を大きくしていきながらヨーロッパ圏やアメリカ圏にも食い込んでいく力をつけていこうと思っている。まずは台湾を固めたわけだがこれからはオーストラリアを強化しながら日本や中国や韓国やインドやそのたアジア圏との共同研究を強化していこうと思う。コツコツと研究を確立していくことが大事で30代のうちに戦略をハッキリさせていきたいと考えている。

今年はアメリカの物理学の雑誌から定期的にレフェリーの依頼が来るようになったし、中国の大学の准教授のポジションの昇進審査の依頼が届いたり、新しいジャーナルのEditorial Board Memberに選ばれたり少しづつ影響力が出てきた。また技術的にもいくつかこれならば世界一も目指せるかもしれないっていう分野もきっちり出てきたことによって自信が出てきた。自分の論文を完成させることは遅くなってしまったがひとつひとつ書くことによって前向きに成果を出していこう。論文はもっとかけるし40才になるまでにかけることはすべて書いていきたいと思う。とにかく論文を書く能力さえもう少し上がればいいのでとにかくそこに集中して一つ一つ論文を終わらせていこう。

投資はオーストラリアで投資を始めて3年ちょうどが立ったところ。はじめたときから考えるともう10年以上もしているのか。アメリカにいたときやオーストラリアに来てしばらく投資を始めなかったことを本当に後悔している。しかしながら悔やんでも仕方がない。これからもコツコツコツコツと投資をしていくだけだ。これから毎月毎月いろんなビジネスを勉強して少しづつでも会社の研究をしながら毎週毎週会社を分析してそれをブログに残しながら良いポートフォリオを組んでいきたい。コツコツ小さな発見でもいいので会計やファイナンスの勉強を続けていこう。少しでも毎回学んでブログに書いていこうと思う。

まあいろいろと書きたいことはあるは今日はこのくらいで。今日はもう少し文章読んだり講義を聞いたり考えたりしたい。