本のレビュー5【語彙力こそが教養である】斎藤孝著

私は日本人であり博士号を取得する29歳になるまで日本で過ごしてきた。その後アメリカに行き必死に英語を覚えたし論文も英語で書いている。そして今は大学生の時に履修していた中国語を再度勉強し始めて一年ほどになる。そしてこのブログでは3か国語で毎日更新をしようとしているがやはり自分の母国語である日本語、そして長年勉強してきた英語、最後に中国語の順に語力があると思う。それはやはり文章を書いていてどれだけ自分の考えていることを表現しやすいか?またそれに幅があるか自分が毎日体感するからである。

言語の習得を通して今まで一番重要だと思っていたのはやはり語彙力である。だから語彙力で言語の習得レベルがわかるし母国語でも差がついてくるのがわかるので本書に言われていることに大変共感する。僕の考えだとある程度語彙力はまずはインプットしていかなかないと話にならない。ある程度のレベルまで覚えないとそもそも言語が話せない。それは僕が外国語を覚えたからわかったことだ。英語だと3000語くらいがまず基本的な会話をするのに必要な語彙力といわれているが、8000語あたりまで覚えるとほぼいろんな分野に対応できるレベルになると言われていたと思う。もちろんこれは語彙の意味が分かるというレベルではなく自分で自信をもって正しく発音でき文章の中でも正しく使えるというレベルがある。正しく使えるように8000語をきちんと扱えればネイティブには及ばなくても英語ではあまり苦労することがないレベルには持っていける。日本語ではそのレベルは簡単にクリアできているのでそれが学校教育の中で自然に身に着けたものだと思う。なので日本語での読書はそこまで苦労しないが、やはり英語や中国語になるとそもそも語彙力が足りてなくて文章を理解できないという場面が出てくると途端に進まなくなる。なので文章の意味がわからなくなり、そして楽しくなくなる。そもそも楽しんで外国語に触れるために語彙力はとてもとても大事だと考えてきた。なので本書を見たときにやはり母国語でもどの言語でも語彙力は鍛えておかないとと思い直したので手に取らせていただいた。

一方で英語や中国語などの外国語に多大な時間を割くことによって日本語力が下がることもしくは上げる時間を費やせないことも意識している。なので人生において外国語と母国語すべて語彙力をあげていきたいと再認識させてくれた本である。

本書読んで再確認したことは物を知れば人生が楽しくなる。語彙力があがれば物を読んだり書いたり聞いたり話したりする知的活動がすべて楽しくなることだと思う。物理学でいうと研究の論理がわかったり、音楽で言うと感度があがって高いレベルで楽しめるようになるということ。僕の場合は語彙力をつけることで読書がもっと楽しくなるのが楽しみだる。ちなみに斎藤孝先生は『読書力』や『原稿用紙10枚を書く力』などの著書が好きでも20代頃に読んでいた。本書ではおそらくインプットの基本は読書であると説いてあると理解したがそれ以外でもインターネットでも映画でも漫画でも意識を変えれば語彙のインプットに使えることを示していくれている。さらにアウトプットの仕方も書いてくれていて大変勉強になった。特に人と住んでいるのでなかなかできないのが残念ではあるが音読は大変参考になった。読書はもっとしていこうと思っている。読書会もしたい。英語でも日本語でもなるべく読んでそしてこうやってアウトプットしていかないと思う。

一方で語彙力はたまにこういう本を読んで意識をすることしないと知らない語彙を拾う意識が薄れる。日本語でも英語でも中国語でも意識してこういう本読んだり語彙をインプットすることにより意識的に新しい言葉が出てきたときに意識出来て記憶するようになるから良いと思っている。外国語だと特に意識しないとさぼってしまっていつの間にか全体の語力が下がってくる。運動不足の様にある日突然衰えに気が付く。一方で語彙ができてくるとすべてが楽になってくる。音楽でも定型のコード進行やリフやリックを覚えておくとより覚えが早くなるのと似ているかもしれない。

また語彙は投資の様に増やしていこうと思っている。短期的には用語集なもので覚えながら長期的には読書で鍛えていきたい。本書で述べられているように一朝一夕で語彙力はつかないが一方で外国語を覚えた僕として強調したいのは長期だけで語彙力を鍛えようとすると成果が見えづらくなる。先ほど書いたように英語では8000語で大抵のことに対応できることが大幅に増えるという経験から教養量の差がつく語彙力を目指すもいいが短期的にはある程度わかりやすい数千語という目標を決めて短期間で短期投資のように勉強してみるもいいものだと思っている。僕の場合は三か国語でやっているのでバランスよく頑張って短期的にも頑張りながら長期的にも楽しめるように。語彙力を鍛えておくと特に読書が楽しくなるのでどの言語でも楽しめるように毎日頑張っていこうと行こうと思う。古典もこつこつ読んでいかなくては。。