ざっくり年初所感

物理学者としてはキャリアは順調というか踊り場というか。どうなんだろうか?40才を手前にして自分の才能のなさを痛感する一方、まだあきらめたくないところもあり、頑張れるだけは頑張ろうと思う。ここにきて自分にしかできない物理学を展開し始めていると思う。それが大変な成果につながる様子も全くないがそういった創成的仕事よりもやれば成果を残せる技術賞的とか努力賞的研究はやればできるんじゃないかと思えてきた。それには今やっている仕事を何よりも確実にこなしていくことが大事でその先にさらなるイノベーションを起こしていける自信はある。そのポジションを確立して維持しながら論文をとにかく書き続けて本当に実力が必要な大変な成果が出たときに確実に仕留められるように日々の成長していこうと考えている。

2021年は周りの評価があがってきたが私の成果と実力が伴ってこなかったと感じている。よく考えると常にそうだった気がする。成果も論文数だけでとらえると最悪だ。2021年末にはある大学の准教授のポジションを評価する委員に選ばれて向こう1カ月間かけて彼の業績を評価しレポートを書いていく。これは名誉なことで准教授を選考することまたレポートを書くこと自分の昇進についてもよく学べるきっかけになると思うのできっちりとやっていきたい。自分については日本でのある准教授のポジションの公募について打診があったものの応募しないことにした。理由はここには書かないがしばらくは日本には帰らないという決断をした。またアメリカ物理学会の論文を5回ほど査読したり、オンラインを通してだが台湾やオーストラリアや日本などで招待講演3本に口頭講演3本も行ってきた。日本中性子科学会にも人材育成について記事を書かせてもらったり、さらにはMaterial Futuresという雑誌のEditorial Board Memberに選ばれたことなどを考えると少しづつサイエンスコミュニティに貢献できることが増えてきたかと思う。与えられる仕事はきっちりと期待以上にこなしていきたい。

個人的な研究に関しては今年は3本の論文は絶対終わらせたいと考えている。そのうち2本はもう構想から8年とか10年とかかけてしまったがやっと終わりが見えてきた。誠に情けないのだがもう少しで終わらせられるように最後のとどめを刺せるように毎日逃げずに原稿に向かっていきたいと思う。この3本の論文を終えると自分自身にも自信が出てくると思う。なので今年はこの3本の論文を中心の今年のキャリアは考えている。またこの3本の論文は私が2021年8月から2023年の7月の2年間かけてやっている非共線型磁性体に対する中性子散乱の研究という題目で台湾の科学技術省のプロジェクトに選んでもらっているものなので台湾の納税者に感謝してこの分野でははっきりとした成果を残してこのプロジェクトを終えたい。次のプロジェクトへのアイデアも練りながら一生懸命やっていこう。

技術的には先ほど書いたのだが、一つは今まで培った実験技術(中性子非弾性散乱実験)を誰よりも数多くこなすことによってエキスパートになりさらに効率を上げていくこと。世界中でも私ほどこの実験ついてやってきた人は過去五年ほとんどいないと思う。いても数人だろうか。もう一つはこれまでは難しかった実験技術(偏極中性子散乱実験)を誰よりも多くやることにより世界でも有数の経験値を手に入れたい。この偏極中性子実験は普通の人にはアクセスすらも難しい珍しいものなのでしっかりと今のポジションでやれば少なくとも経験値は世界トップクラスにはなれる。後はこの経験値をどう吸収し、成果につなげ、発信していくかでは自分の実力になると思う。一方でこれは私のポジションにいるから可能なことで実力ではなく運であるが、このラッキーなポジションからしっかりと結果を得るということを大事にしたい。実力はコツコツとつけるしかない。

一方で最近出てきたのはこれから専門分野を広げる流れである。私個人は磁性物理学を中性子散乱実験を手段として研究してきたが、ここにきて分野が広がりつつある。これは意識的にいろいろな科学者と協力しながら分野を広げていく必要があるが世界中の科学者と手を組みながら少しづつでもやっていきたい。例えば偏極中性子をつかって生物分野のたんぱく質の実験ができたり、中性子非弾性実験ではエネルギー分野の熱電変換材料の研究、また磁性では今まであまりやらなかった磁気スキルミオンの励起の研究だったり、少しづつ広がってきた。すべて最先端だが最先端にはその難しさがあるが楽しさもある。

さらに少しづつだが自分が作り出したと思える研究グループが少しづつ生まれてきた。今の時代にふさわしくたくさんの国の研究者に自分のアイデアを元にある物理とかサイエンスに研究を展開していくことが少しづつできるようになってきた。かなり難しい実験や研究をやっていくことが成功するかはわからないがいろんな専門家を集めてきてさらにそれらをグループ化して挑戦する研究課題をひとつひとつ超えていきたい。

あとはこれから少しづつ発信力もつけていきたいと考えている。科学者としての最大の発信は自分の論文の発表である。一方で少しづつでも教えながら自分がやっている物理学への理解を深めていきたいと考え始めた。コロナ禍でたくさんのプレゼンテーションをオンラインで行ったが自分の持っている基礎技術や良い論文を読んだ時の理解も勉強会にしたりプレゼンテーションにして残していくこともいいかもしれないと思う。一方でこれらはやろうとしても大変なことだ。今までやってこなかったことなので、このように年始の余裕があるときに書いている寝言かもしれない。ご意見などいただけると幸いだ。

あと5年位はこれらをしっかりとさらに数多くこなしていけば科学者として生き残れるくらいの成果少なくともあげられる。しかしトップレベルの科学者となるにはそれ以上の才能がいると思うのでなかなか自分では何ともしがたい。しかしやっと自分にしかできない物理ができ始めたこと、世界一を目指せそうなことがいくつかできてきたことにより少しづつ今後少なくとも5年間くらいは目指せるものができてきた。今後10年位にどうなるかわからないがこの5年位を走り切るつもりで今年一年を集中して研究していきたい。

英語と中国語について。語学学習についてはここ一年ほど中国語を勉強しているが、大学一年生以来の第二外国語である。ここ一年ほどは毎日勉強してきたが、できるようになったことは増えた一方、語学には相当の時間が必要なことがわかる。このブログは日本語、英語、中国語で書いてきたが、毎日交互に書くことでこの3言語での能力が明らかにわかってきた。今は中国語では自分の考えていることを表現することすらできない。一方で毎日たくさん勉強したってすぐに自由に書けるようにはならないし一生ならないかもしれない。英語も頑張ってきたかと思うが英語圏に住んでいてもコツコツと勉強して成長していかない限り後退なんだと思う。ここ数年は後退してきたといってよい。というか母国語に対しては英語力もまだまだということがわかってきたが、外国語ばかりやっていると日本語力が上がらないというジレンマがある。この日本語、英語、中国語のトリレンマにたいしてはどう対処していくか?三か国語を同時に鍛えようとすると毎日少しづつという方法を最初に思いつくが少しづつやることが増えすぎてコンスタントに勉強ができなくなってくる。二人目の子供ができたら一人目よりよくわかっているので経験値は積んでいる一方かかる手は増えてひとりにかけられる時間が減るのは当たり前みたいな。それぞれの言語に対して今の課題は何かを整理してどの課題に週にどう配分していくかそこには頭を使わないように計画を立てていこうと思う。頭を使うと作業が止まる。語学については愚直に語彙と文法を鍛えなおしてそしてその延長上に次のレベルがあるのだと思う。リーディング力がすべてだと思うからリーディングの時間を毎日とっていこうと思う。日本語と英語(あと中国語も少し)両方読まなければならないので時間がないのだがここら辺のマネージメントはうまく考えないと頭を悩ませているところだ。。

読書については上の語学のところに書いた。読書は総合力でアウトプットの源泉なのでアウトプットを意識しながら3言語で毎日時間を割いて読んでいく。あまり急激に読書力があがっていくことを期待しないで毎日毎日少しづつゆっくりでもいいから読んでいこうと思う。日本語は再度読み始めたのは2020年あたりから、英語の本も読めるようになったと思ったところが何か読めない本にぶつかったりするとすぐに習慣から外れてしまう。ビビってしまうのよ。愚直に読む、短い文章も長い文章も論文も教科書も時間を取って読むということをやっていくことを続けて行きたい。ブログに書いてよく理解しようと思ったが、今の英語力とリーディング力とライティング力では今の実力では本のレビューではなく章ごとにレビューしていくほうが良い感じがしてきた。

究極語学力はリーディング力である。今ざっくり決めてみると外国語の場合は語彙力と文法は必須でこつこつと勉強していく。逆にこういうことしかコツコツできないのかも。リーディング力は焦っていると上がってこない。今までたくさん英語の本を読んできたがあまり身についてきていないのではないかという危惧がある。たくさん読むことよりも丁寧に読むことをこれから逆に心がけたくて少しづつまとめをブログに書いたりして質の高い精読力をつけながら量を読むことも同時にやってきたい(結局欲張り)。先ほども書いたが日本語においても英語においてもそして中国語においてもリーディングの時間を毎日とるということを理想的にはしたいが、実際にはうまく行かなかった。なぜなら頭の中で今日は何をしようか悩んでいるうちに無駄にニュースやYoutubeなどをみてしまい時間が過ぎてしまうからだ。なのでこのブログの様に毎日何を読むか事前に決めておいてそれに従ってこなすように読書をしていかないといけないと思う。さらにブログにかいたり勉強会に参加するなどしてアウトプットもしていかなければと思う。勉強会などと硬いことを言わずにクラブハウスなどで話すだけでも良い。まだ中国語は難しいが、英語や日本語でアウトプットの機会を作りたい人、誰か一緒にやりたい場合はぜひ声をかけていただきたい。

次に投資について。投資は大学院生の時に始めたのでかれこれ始めて10年以上たっているが、途中でアメリカにいたときとオーストラリアに来た当初途切れてしまっていた。計五年ほど。これに対してはかなりの後悔がある。まあ法律など自分の給与体系などわかりずらかったのもあるし特に生きるので必死だった。仕方がない。直近3年あたりは資産状況のモニターもよりクリアになってきた。直近3年では純資産は約月3%の伸びを示していて昨年の一年間の伸びは57%。(これは投資の利回りではないことに注意)よく成長してきたかと思うが、このコロナ禍で株式が急成長していること、資源高でインフレが進んでいることから全く気が休まらない。2021年末には奮発して高級ホテルでステイケーションしたが高いものほど物価は上がっていっている気がする。投資はオーストラリア株を中心に年をしたがまだまだそれぞれの株の下調べは甘くもっと調べてから投資していきたいと思うのが一点。また一方でインデックス投資もコンスタントとに行っていきたいし、さらに分散も意識しながらコツコツと資産を蓄えていくしかないと思う。長期志向だが毎月の積み重ねを頑張っていこう。投資は長期・積立・分散というがまったく正しい。また三つの力、稼ぐ力、貯める力、投資する力のそれぞれが必要だが意外とすべてがそろっている人はいないとひふみ投信の藤野英人氏がおっしゃっていてなるほどなと思った。また人はえてして得意なことをやってしまうと。今年は苦手なところを人並に持っていくことまで頑張ろうと思っている。オーストラリア株の分析はこれからもしっかりとやっていきたい。会計の本を読みながらわかったこと理解したことを解析に少しづつ加えながらやっていきたい。目標は週に1社くらいは分析したい。2022年末にはどれくらいの解析を加えられるだろか?20-30社くらいはやっていきたいなと思う。また2022年は暴落にも備えていかないとと考えながら投資していくことになるだろう。今のポートフォリオでは暴落に対して備えてはいるもの津波に対する防波堤的な守り方よりもむしろミサイル打って止めます的な備えなので少しづつ防波堤を作っていきたい。つまり分散。。。頭ではわかっていてもなかなか難しい。

この株式投資では会計・ファイナンスの勉強に英語のリーディングとライティングの勉強を兼ねることになる。積極的に日本語の本も読んでいきたいすでに読むべき本は5-6冊は見当をつけていて書いて読んでブログにまとめていきたい。また政治や経済のための知識も必要になるため愚直に経済の本も少しづつ読まなくては。一方で企業ごとに分析をして財務諸表を読んで理解してわかったことを書き出してまとめてという作業を続けて行く。この会計・ファイナンスの分野では日本語でもたくさん参考文献があるし英語でも参考文献はたくさんあるのでそれらをまとめて説明してく文章を英語でも日本語でも書いていこうと思う。絶対読みたい本を決めてそれを章ずつでまとめていくとか、輪講に参加するとか勉強会をアレンジするなど考えていきたい。

ギターついては、練習をする時間が取れないというの嘘になるがもう嫌になってくるほど下手になっている。でもまだまだ弾ける曲はたくさんあってレパートリーもだいぶあったのを取り戻すことから始めなくてはならない。最近はエレキよりもアコギが好きなことがわかってきた気がする。さらにソロギターというのは自分にあっている気がするから目標は街中で弾くことと常に思っているが、とにかく毎日弾くということをしたい。21時以降は騒音のため弾くのを控えているが毎日あっという間に21時になってしまう。趣味だと思うけど、忘れていないだけでもいい。とにかくやめることだけはしたくない。

ランニングについてはこれはコンスタントというべきか毎朝6.5キロを大体40分前後で走っている。その前にストレッチや筋トレを含めると大体一時間弱の運動になるがこれは続けていきたいと思う。この40分前後というのは自分のバロメーターで面白いことに±5%もなかなかずれない。信号とかのタイミングもあるのだが。最近になってわかったのは健康が一番。しかもやせていたほうが体調もいいのできちんと運動して食事に気を付けてやせていこうと思う。特に自分は胃腸が弱い気がする。これは単純に年を取ったからかもしれないが、時々胃薬などにお世話になりつつお酒や油の濃いものは必要がない時には避けるようにしようと思う。とにかく体調が万全で胃の不調から来る不快感は出ないように食事や飲み物も考えていこうと思う。最近少し痩せたがやはり体が楽になった。一方で運動の方法はたくさんあって良い時代になったYoutubeでもボクササイズとかあって面白い時代になったなと思う。

今まで書いてこなかったが哲学についてはここ数年興味を持ってきていて、イマヌエル・カントの純粋理性批判についてある程度の決着をつけて書いて終わらせておきたい。カントはいまだに史上最強の哲学者と私は思っているが、この純粋理性批判にまだ十分に理解ができていないと感じているところがあるためその先の哲学者の研究に進みたくないということをもう3年以上もやっている気がする。それはカント哲学が難しいからだがいい加減自分の中で納得を付けてカントの他の哲学者も勉強していきたい。まずは一カ月くらいかけてもいいからカントの純粋理性批判はブログで5回くらいに分けてもいいので終わらせたい。頭では何度もわかったつもりでいたが実際に文章にして論理を組み立ててくると終わりがなく、どんどん書きたいこと説明したいことが出てくる一方、文章としては全くまとまりのないものになってくる。ここ一カ月くらいでその五回分の骨子くらいは終わらせてそのうちの最初の回くらいはブログに投稿したいなと思う。

その他として、今年は少しづつブログの質をあげていきたいと思っている。またSNSでのアウトリーチもあげていきたい。ブログの読者数は2021年はかろうじて過去最高を達成したがそれでもまあゴミブログである。しかしながら今年の頑張りで何が読まれるかは少しはわかった。3か国語で書いていくことは維持していくが、去年までのブログでわかったのは今のところ本のレビュー(日本語)とオーストラリア株(英語)の二つは結構読まれている。なのでコツコツとこの二つは書いていきたいなと思っている。中国語でもそういったテーマを見つけてみたいなとは考えながら毎日書き続けている。Youtubeなどで自分がどうしても勉強したいってことは誰にも見られなくても動画取っておいたほうが良いかなと思うがこれも膨大な時間がかかるのでなかなか難しいところだ。英語力と物理力の両方を鍛えるために良書の日本語訳を少しづつやっていこうとも思うがこれをブログに乗せながら少しづつ行うとやはり著作権とか引っかかるのだろうか。これは誰か教えていただけると幸いだ。

今思うのはそれくらいか。偉そうにやりたいことを書いてきたが年初の抱負などすぐさま忘れてしまうのが人間だ。最近は一年でやることよりも数年間のスパンで見ているから一年間も達成度は心配しない一方こういった進捗を確認することはしたいので再度この記事に対しては振り返る機会を設けたい。最後まで読んでくださった方には大変感謝している。今年もよろしくお願いします。