ちゃんと準備して失敗して学ぼうか。

今日は全く激しい日だった。もともと予定していた実験は単結晶試料の軸たてができていないということだった。今週初めからというか一月初めから解決しようとしてきた問題だが複数の問題が解決できずに結局僕が自分の実験をすることになった。

まずは初めに今回の実験は磁場中の中性子回折実験。磁場をかける装置をまず私の管理している三軸分光器に乗っけるところからはじまる。これには大体一日かかる。これに対して前回の実験者から引きつけばよく。すぐに実験できる状態になっていた。しかしながらすぐに実験できる状態というには一つ条件があってそれは軸立てが終わっているということだ。今回はそれができていなかったということ。準備ができていなかった。この磁場中の実験でなぜ軸立てが重要かというとこの磁場装置を載せた状態では装置を傾けることができず、試料の軸立ては完璧にしなくてはいけない。具体的には1度以内に傾きを抑えなくてはならずこれは目視では確認できないほど小さなものだからだ。

今回、共同研究者は入念に準備をしてきたがそれでも実験を始めることができず、私の試料を代わりに入れることにした。彼らの実験は後日やることになる。それはそれでよい。自分自身問題解決に向けていろいろしたが今回は困難だった。

一つは試料の軸立てをするための装置がこちらにはある。それを使って準備をする予定だった。この装置は動作状況も良好で実際に使える形であるが、なんとその上流にある装置が修理中でありその修理中の装置が中性子ビームを遮っている。なんとここで運が悪いことにこの中性子ビームを遮っている状態さえ解決すればいいものの、安全装置に関わるところで動かせない状態だという。なのでその装置を使って軸立てができないということがわかった。この装置を軸立てに使えることが最善だったがその手が撃たれてしまった。

次に他の装置で軸立てをするという手もある。しかしながらその軸立てに適している装置を担当している人が休暇中であり、さらに装置は実験の予定が目いっぱい入っていてどうやらここ一週間はどこも使えさせてもらえそうにはない。これまた運がない。

そして最後にすごいラッキーでもう一つ装置が一日空いているということが分かった。装置担当者がご厚意で一日使わせてくれることが分かったが、その装置はあまり軸立てには向いていない。特に現段階の軸立て状況においては絶望を感じるほど。案の定、一晩を費やしても軸立ができなかった。

さらにはいま置いている磁場装置を今日金曜日に取りだして、我々のゴニオメーターを取り付ける。そして軸立てを我々の装置で行いさらに時間の都合で月曜日にまた磁場装置を取り付けるという案もあるが。先ほど言ったように磁場装置を入れるだけで一日作業なのであるから、この案は大変なリソースを使う。

やれるだけのことはしたがダメだったということだ。仕方ないので私の実験をしているところだが、あまりよい成果も得られる保証もないが。これだけあれもこれもやってダメということも珍しい

今回学んだことは以下のことである。準備は大事なのは言うまでもない。一方で磁場を使える状況になったことでチャンスでもあったととらえられる。なぜならそのユーザーが使えず自分が使える状況になったから。そこであまり良い案がなかった自分がまずいとおもう。したがって、私はチャンスを生かす準備をしておくべきだったということ。

このためには普段から良い単結晶試料をたくさん準備しておき時間があるときにはなるべく軸立てを完璧な状態にしておくことが大事。さらに磁場にも載せられるようにアルミ板をすべて使ってさらに磁場にも対応できるように準備しておく。これからもよいサイエンスをしていく準備をきちんとしておこう。今回やることになった実験からも良い結果も出るかもしれない。これからも質の高いサイエンスを頑張っていこう!

Let’s make 2022 great!

I am feeling great these days. Although 2022 has just started, I am doing great in science. My first priority of this year is to submit my first paper this year and I am going in that direction also I could find several experiments and proposals under preparation, they are all great.

I have found a couple of projects that I am very excited about because we are getting totally new results, now I am feeling I am creating a new data set from scratch.

The first project is chromium oxide. That sample I didn’t expect to get nice results however our colleague could make a large single crystal. In my field, if you get a nice large single crystal and it is new there is always something to publish so like we hit a jackpot. I did some literature review on that sample, I don’t see much data yet so we investigate we will find something. I just got a magnetization data set that shows several transitions that excites me. The magnetic structure looks complicated so it is fun to solve. We need to look into the magnetic structure by neutron diffraction soon. With the combination of these data set I am sure we can publish the data. Also, we have a large single crystal so there are so many things to do for this compound for inelastic neutron scattering. So I expect to get all the results in one or two years. I want to finish writing as soon as the data get out.

Then, I also get two samples of phosphorous. These samples I have known since when I was a student however the single-crystal became available so it seems the study is going further. I have so much interest in these samples and I can see where I can contribute. So I will keep investing time in these samples.

I am happy to see there are several scientific projects that started rolling. I am excited to perform the experiment. While I should not forget, I write up the paper and publish the results so I can finish off the experiment we have done. That is the priority this year. I am excited to work every day. Just don’t run away from writing. Let’s finish the first paper, so I can move on.

These days I am reading great as well. I am using Audible.com to listen to books in English. The audiobook’s speed is like ×1.5 speed than the normal speed, I can understand and I am enjoying listening to these books. I will post the review in a few days here in this blog. I can learn better by summarizing what I learned from these books. Also, I am reading books in Japanese and writing reviews, by writing and trying to summarize I am feeling actually I am learning much better. I should have done this in the first place.

From this Friday, we will start working on magnetic excitation from skyrmion. That experiment is hard but there is some hope we can get a nice result and good publication. So I will do my best to assist users. I am excited to learn the project so I am happy to do the experiment.

I am doing my best every day for life and work. So if I can keep up, I am sure I can make 2022 great. But I also want to avoid not being tired so I don’t want to kill my creativity to enjoy them.

岩波文庫読書録①【読書について他二篇】ショウペンハウエル&斎藤忍随

岩波文庫については大学院博士課程の頃に公益財団法人風樹会から給付型の奨学金を頂いていた。風樹会は岩波書店の創業者である岩波茂雄(1881年~1946年)が創設されたものであることは存じ上げていたが学生の頃には正直あまり思いをはせることはなかった。しかしいつかは恩返しをしたいと考えていた。ここでは岩波文庫をオーストラリアからオンラインで新たに購入し、レビューして少しでも古典を学びなおしながら要約やレビューを書いていこう。幾ばくかの人が岩波書店の本を取っていただければ幸いだ。

  1. 思索

私がこの本を最初に手に取ったのはいつかは覚えていないがおそらく大学院だったころのことだろうと思う。ここに書いてある問題意識は無意識のうちに覚えて日々を過ごしていたように思う。短い文章の中にも勉強になることがたくさんで再度読んだ今でも勉強になることが豊富にある。今回は本書の中から気になったものを引用しながらブログを書いていこうと思う。引用したところは太字で示す。

数量がいかに豊かでも、整理がついていなければ蔵書の効用はおぼつかなく、数量は乏しくても整理の完璧な蔵書であれば優れた効果を収めるが、知識も場合も事情は全く同様である。

まさにそうで私はたくさん本を読んできたがあまり身になっている気がしない。最近はやはりきちんと丁寧に読んで教えながらまとめていくことできちんと体系的な知識として身に着けたいと思う日々だ。

ところで読書と学習の二つならば実際誰でも思うままに取り掛かれるが、思索となるとそうはいかないのが普通である。

なるほどと思う。私の場合は読書と学習は勉強で、思索は研究だととらえているが。読書によって考えることを手伝ってもらっているか自ら思索しているかはなかなかわかりづらいが意識したいところだと思う。少し考えてみたが思索は私らの場合は試作ともとらえてよいのではないかと思った。今まで学習したことから考えさせてもらったことを通して新しく科学を生み出す作業。実際にこれまでにない実験し出てきたデータを解析しながら考えることにより新しい知識を試作していく。これまで学んだことも含めて新しいデータをどう理解するかを総合して思索しているものだと思う。思索をすることは簡単ではないということは常に問題意識として置いている。

誰でも次のような悔いに悩まされたことがあるかもしれない。(中略)けれども自分の施策で獲得した真理であれば、その価値は書中の真理に百倍も勝る。

まさにこれは一つの論文を完成させた時に感じることである。論文を書くのは大変だが論文を公表する過程を終えて一つの論文を完成させた時、論文の中には一つの私自身が発見した知識というものが完成した形で収められている。これを絞り出すという作業によって得られた真実は本で学ぶどんなことよりも重要である。これは著者が本を書くことも同じなのかもしれない。

読書は言ってみれば自分の頭ではなく、他人の頭で考えることである。

これはなるほどなと思っている。研究者から立場したら全く納得できることだ。他人の論文を読んでいるときは研究の時間ではなく勉強している時間である。他人の発見した真実を目的や手法や知的アプローチ、実験的アプローチも含めて勉強させてもらっているが自分がみずから知識を生み出す場合は実際に自分で考えて自分で行動して知識を生み出していくほかない。

読書で生涯を過ごし、様々な本から知恵をくみ取った人は、旅行案内書を幾冊も読んで、ある土地に精通した人のようなものである。

なるほど。やはり勉強も大事だが実際に行ってみたりして体験・経験することが大事だと思う。一方で本などで読んでおくことで刺激される知的探求心などもあるから両方大事だと思う。

第一級の精神にふさわしい特徴は、その判断がすべて他人の世話にならずに直接自分が下したものであるということである。

これに関しては思うことがある。私は第一級でないことは明らかで本を読むことで学ぶことがたくさんあり研究に役立てている。私が出会った中で第一級だと思う研究者がいる。彼は教科書で学ぶことがなかったという。これには驚きだったがもっと驚いたのは彼との議論である。頭の回転が速い天才というだけでなく、彼は原理原則に基づいて公式を何もないところから書き出せる。これには驚いた。本書に書いてある第一級の精神に近いレベルなのではないか。

ここには引用はしないが、思索の14のところで真に価値があるのが一人の思想家が第一に自分のために思索した思想だけであると言っている。もう一つのタイプの思想家はソフィストで彼らは世間から思想家だと思われることを念願し、かくして世人から得ようと望むもの、つまり名声の中に幸福を求める。これら人間や学問の習熟度によると思われるが意識はしておきたい視点だと思う。

2.著作と文体

まず第一に著作家には二つのタイプがある。事柄そのもののために書くものと、書くために書くものである。第一のタイプに入る人々は思想を所有し、経験を積んでいて、それを伝達する価値のあるものと考えている。第二のタイプに入る人々は金銭を必要とし、要するに金銭のために書く。彼らは書くために考える。

頑張って第一のタイプに憧れて頑張っているけど第二の気持ちもわかるのが辛いところ。論文は書くべきものを書きたいのだけれでもすごく良い実験結果だったり実験が凄くうまく行くこともまれなのでその場合は書く力で頑張らなくてはならない。

そこで、この不正直な空気を一掃するために何よりも重要なのは、無頼漢的文筆業界が挙げてよりどころにする楯、すなわち匿名という方法を廃止することであろう

上の文章に始まる数ページは現在のインターネット特に日本で時々議論されているYoutuberや有名人に対する誹謗中傷などの問題に対して大変示唆があった。確かに匿名性があることによって無責任な発言が出てくることもあるが、一方で匿名であるからこそ本音も出てくるものもある。著者の主張はわからなくもない。日本のネット文化は違う方向に行っているようだ。僕も少なくも雑誌などや新聞などは著者は明らかにしてほしいと思うことがある。よい文章や有益な文章を書く人は覚えておきたいし、明らかなマナー違反をしているような文章の場合、だれが書いたものなのか気になる。

そこで、すぐれた文体たるための第一の規則は、主張すべきものを所有することである。あるいはこの規則は第一規則どころではなく、第二第三をほとんど必要としないほどの、十分な規則といってよい。

まことに仰る通り。たくさんの読書や論文のからの情報も重要だけれど、実験や解析などを通じて少しづつでも知見というものをためて、書くべきというものができたときに書きたい。論文はこれは世の中のために書いてべきと思って書いている状態が理想で毎日悩みながらでもこの書くべきことを研究を通して見つけて、そして実際に書くべきことを書いていくという研究生活を送っていきたい。

これに反して精神を備えた人々の作品をひらくと、著者たちは真実の言葉で我々に語り掛けてくる。だからこそ、彼らは我々を鼓舞し、我々を養うことができるのである。

ここまでわかっているかはわからないが本は一冊でもはまれば人生を変える力があると思う。真実の言葉で書かれている本は見つけていきたいとは思うが。書く方としては自分が徹底的に考えて、伝えるべき内容をなるべく読者に届くように頑張って書きたいと思っている。妥協しないで頑張っていきたい。

表現曖昧、辞句不明瞭ということは、いついかなる場合でも、非常に困った兆候である。

無意味なものを書き添えるくらいなら、良い部分でも切り捨てるほうがはるかにましである

理想はわかるがなかなか自分でやるのは難しいと感じている。なのでこういった言葉に出会うたびに自分が今書いている文章ではどうするか?と問い続けることをしたい。英語のライティングのテキストではよく形容詞、形容動詞は大抵の場合いらない。なるべく簡潔にかけと書いてあるが。同じ意味ではより簡潔に短くわかりやすく書きロジックがわかりやすくなるように書きたい。気持ちはどんどん書き足していきたくなるのだが押さえながら。。読者に良く届くように心がけていく。もうすでに長いが笑。

3.読書について

富者に対する非難は、これに尽きない。富と暇の活用を怠り、富と暇に最大の価値を与える生活に意を用いなかった点をさらに咎めるべきである。

これは現代においても示唆に富むコメントである。特に格差社会が話題になっている今だからこそ。私自身はありがたいことに最近になって余裕ができてた。仕事も慣れてきて時間に余裕が出てきた。しかし余ったお金と時間を有用に使えるかというとなかなか難しい課題である。最近研究グラントを評価していてよい科学者はきちんとお金を調達してお金を使って社会を豊かにしているなと感じた。常に今あるものを社会に還元して使っていけるように常に考えながら過ごしていきたいものである。

読書は、他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるに過ぎない。(中略)ほとんどまる一日を多読に費やす勤勉な人間は、次第に自分でものを考える力を失っていく

なるほど。私自身は本や論文をよく読むほうだが、それらは刺激のようなものだと思っている。それにより世界が広がったり忘れていた重要なことを思い出させてくれる。ただし研究者や一人の人間として豊かな生活をするからそれからいかに学びそれを使っていくかどうかである。自分で行動して知識を使いながらその行動の結果を観測するなかで我々は考える。なので常に行動すること、いかに知識を使うかを意識しながら人生生きていきたい。

良書を読むための条件は、悪書を読まぬことである。人生は短く、時間と力には限りがあるからである。

40才を手前にしてやっとこのことを認識してきたかな。体力や健康の問題もあるし、良い仕事には時間がかかる。良書をなるべく読んで、良い研究を書き残していきたいのものだ。古典は重要なようにここで書かれているがそう思うときもあれば良書を新刊でみるときもある。あまり構えずすべての本は読めないのだから出会った本の中から引き出すものを引き出していきたいと考えている。

書物を買い求めるのは結構なことであろう。ただしついでにそれを読む時間も、買い求めることができればである。しかし多くの場合、我々は書物の購入とその内容の獲得とを混同している。

これはそう。私はたくさん本を買ってきたが最近は読み終わってからでないと買わないようにした。そうしたらあまり読めないことがわかってきたし本にはそこまでお金は使いたくても使えない。本当に消化したと思われる本も少なくていつかはきちんと読まなくてはと思っている本もたくさんある一方、新しい本はたくさん出てくる。ここにブログを書いてまとめていこうとしているのも本を本当に理解するということはまとめて人に説明できるようにしてからと思っているのでこうやって書くことで少しはましになるのではないかと願っている。

哲学の正規の軌道を延長したのは最近ではカントであるが、

私はカントの純粋理性批判が好きなでやはり読み直して理解しておきたいなと思った次第だ。

ここらへんで読書については終わろうかなとおもう。まとめると人生は短いので良書を正しく理解して多読はせず思索をしろ、そこからきちんと書くべきものを持ち、そのうえで良く書き、そのうえで文体ができれば言うことなし。。

中国語単語(Chinese Verbs)④感情・思考

  1. 哭:别哭了。
  2. 笑:她对我笑了笑。
  3. 微笑:她微笑了一下。
  4. 忘:我把这件事儿忘了。
  5. 记住:放心吧,我记住了。
  6. 觉得:你觉得怎么样?
  7. 喜欢:你喜欢踢足球吗?
  8. 担心:别担心,没事儿的。
  9. 放心:我有点儿不放心。
  10. 感动:他的话感动了我。
  11. 感谢:感谢你的帮助。
  12. 着急:别着急,还有时间。
  13. 同意:大家同意我的建议吗?
  14. 反对:他反对这种做法。
  15. 拒接:他拒接了我的邀请。
  16. 明白:他的意思我明白了。
  17. 知道:他来的事,我知道。
  18. 希望:希望她早日回复健康。

How to become an associate professor(2/2).

In the last post (https://www.shinichiroyano.com/2022/01/13/how-to-become-an-associate-professor1-2/), I focused on the process and documents for promotion to become an associate professor. In this post, I will write more in detail. This is just one example so please don’t take it too seriously. In my opinion, what makes the candidate great are the following four things. They are the number and the quality of papers, the granted grants, the labs he has set up in the university, the number of PhD students he educated and will educate. There are other achievements, such as the number of conferences he organize, the number of papers or proposals he reviewed but I believe these four achievements are where he has done so well.

In his short biography, he got a bachelor and a master degree in China, and a PhD in Germany. He spent another year in Germany. Then, he moved to the U.S. for two years, France for three years, Spain for one year, and finally he moved back to China to be an assistant professor in his current university. He looks like 5-6 years senior to me. To be honest, I felt that it could be a bit late for him to be an associate professor. But I thought there might be some reasons. For example, he might have needed to stay in the school for 5 years to be qualified to get a professorship in the university.

Firstly, the number of papers, he has written more than 110 papers. I don’t think I can get to this level in the next five years. He wrote 34 papers as the first other, 43 papers as the corresponding author. This is a huge number. He seems to be producing 10-15 papers every year. I don’t think I can reach that level. I have to think very very hard to find ways to get to that level if I really want to. But anyway, the number is not important, at least I can do is to write more papers as usual. On the other hand, by comparing his and my profiles, I found that my citation is constantly improving. So I should keep writing papers, especially high-quality papers. That’s what I can do. In addition to the papers, I am impressed that he wrote patents as well and got awarded from a bank in China. These industrial partnerships are great. He is not only a scientist working in the lab but also collaborating with the industry. I should find a way to do a similar thing so I should find more project cold triple-axis can support.

Secondly, he has been granted over 7.2 million USD since he has moved to the university. 7.2 million for 5-6 years. This is a big number. The funding sources are local government, university, and the Chinese government. I am not sure how much money one researcher who does experiments are getting in Australia or Japan. What I learnt here is it is not important to the amount of money for his grant. I believe an attitude to keep asking money to create good science of our own is important. I didn’t have a vision like him, it is great to invest money for great science if it is properly planned. Like him, it is important to keep asking to create a good science so the society can invest their money in a good project. I will work hard to challenge this.

Thirdly, he has set up three labs by using these fundings. They are a physical property measurement lab, an in-house X-ray diffraction lab, and a single crystal growth lab. I can see the single crystal growth lab he made is high quality even in the international standard. These three labs are enough to produce scientific papers. I believe they can produce a nice paper by just using the data obtained from these labs in the university. He has set up these labs in the last five years. I am impressed. He got money outside and inside of the university and made high-quality labs. I don’t know how many experimentalists get funding like this in Japan, Australia, or Taiwan. I will look into it. I believe he could leave great assets for the university. It is like investing money in a startup company.

Finally, he has educated or has been educating 14 PhD students. This is an impressive number for just 5 years. It is not thinkable in Australia, Japan, or Taiwan. It seems the Chinese government selected the candidate’s lab to invest in, they wanted to make it to a world-class key research platform. Maybe this is partially the reason they are getting more students last two years. And I have to mention that, I have worked with his students occasionally, they are doing great.

These fours things above are I wanted to leave the comment for the report. I don’t think I can be like him considering my situation. On the other hand, I have learnt so much about what direction I should take in the next 5 years. As a scientist, the most important and the most difficult job is to write a good paper with a high standard and write constantly. I will push myself harder. Others, like getting the funding, managing the instrument, and supporting users are also important works. I knew this already of course but I have to push myself harder to do better. It was a pleasure to read and referee his achievements, I learnt so much from this evaluation.

准教授昇進を審査して学んだこと②

前回(https://www.shinichiroyano.com/2022/01/12/准教授昇進を審査して学んだこと①/)では主に手続きや渡された書類などを書いてきた。ここでは具体的に見ていこうと思う。統計数1なので参考程度に読んでくださればと思う。私が評価するに彼の貢献はいかの4つにまとめられると思う。それは論文数、研究費獲得数、研究室施設立ち上げ、育てたPhDの学生数である。そのほかにも論文の査読数、研究会をどれくらいオーガナイズしたか、プロポーザルをレビューしたこともあるが。ここでは上の4つが重要だと判断した。

著者の学歴と職歴を簡単にいうと、修士課程までは中国、PhDはドイツで取得、その後1年ほどドイツで研究された後、アメリカで2年、フランスで3年、スペインで1年ほど過ごした後、およそ6年ほど前に中国に戻ってきている。年齢で言うとおそらく僕の5−6歳くらい上だろう。飛び級とかがあったら分からないが。正直、准教授になるには少し遅いかなと思ったが、これはおそらく欧米から帰ってきて中国の大学に勤め始めたのが5年前くらいなので准教授になるにはある程度大学にいて昇進の資格を得る必要があったのかもしれない。例えば5年とかは大学で働いていなければならないとか。

まずは論文だがすべての論文で大体110本くらい書かれている。この数は多いと思う。正直、後5年たったところで自分はこの論文数には達することができないだろう。実際にどのような論文でどこに書かれたものかどうかはチェックしていないが多いと思う。また本人が重要な仕事をしたと思われる筆頭著書で34本、責任著書で43本書かれていてこれもはるかに自分よりも多い。今のペースだと彼のグループから毎年10-15の論文が出ていくことだろうと思う。ここは正直に今のままではこのスピードには追い付かないと思うのでもしこのレベルに達したければいろいろと自分はいろいろと戦略は考えないといけないだろう。まずは真面目に論文を一つ一つ書いて増やしていくしかない。一方で彼と自分のプロファイルを比較するとまだ自分は成長期になっていてサイテーションはコツコツと毎年伸びている。したがって現時点であまり量は比較せずに次の5年でこの上昇トレンドを維持して筆頭著書と責任著書の論文を少なくとも一年に一つづつはコツコツと増やしていきたい。結局論文を書こうというありきたりな結論だが重要だと思う。先日はオーストラリアで年配の研究者と議論していたがとにかく論文を書いたほうがよいと言われたし科学者で一番重要なことは論文をかくことだと毎日言い聞かせても足りないくらいだ。とにかく原稿に毎日向き合っていこうと思う。さらに、彼の業績でほかに気になったのは特許も書かれていることで、これについては銀行からファンドをもらったり賞をもらっている。こういった応用までやり企業とのコラボレーションをしているところはかなり良いと思った。私もこういうことができるようにアンテナを張っては行きたい。

次に研究費獲得数だが現在の大学に移られてから日本円にして大体8億円ほど得ている。5年で8億円だから相当すごい気がするが、どうなんだろう。研究資金源としてはざっと理解したところでは地方政府、大学、国からの戦略的資金などのようだ。これは環境の違いもあると思われるが、今日本でこれくらいの予算をもらえている実験系のひとがいるのかどうか全く想像できない。これを踏まえても金額はどうのこうのよりもきちんとグラントを出して取っていくということが大事だと思った。グラントはきちんと機会があれば申請して自分が何をやりたいか主張して人に認められるというプロセスで少しづつ理解をえられるものでダメでも勉強して書きづつけていかないといけない。私は今はグラントをもらえているが、これまでの姿勢はよくなかった気がする。グラントを書き続けてやはりお金を使うべきアイデアを出し実際に社会に良い方向にお金を使ってインフラを整えていくという視点をもって挑戦し続けたいと思った。

そこでこれらの資金の使い道だが、報告書を見る限りこれらの資金を使って彼は3つの研究室を立ち上げている。一つは単結晶育成室、物性測定室、そしてラボレベルのX線散乱実験室。これらをゼロベースで立ち上げており、すくなくとも単結晶育成室はかなり高水準の研究室になっている。この3つの研究室で基本的な測定はできて新しい物質さえできれば十分これらの研究室からのデータで論文は書けそうだ。だいたい5-6年位でこれら3つの研究室を立ち上げて運用しているので素晴らしい成果だと思うし、これらが立ち上がったことにより大学内で十分に研究も進む。大学の資金を使いながらも外部資金を調達して質の高い研究室を作っていく姿勢は素晴らしく、大学としてもこれら研究室は良い研究資産となると思われるので大学への貢献度も高いと私は感じた。

こういう風に見ると優秀な先生にこれくらいの資金を投入するというのはスタートアップに先行投資しているようなものと同じだ。果たして日本ではこれくらいの投資を科学コミュニティがどのレベルでもやっていない気がする。まあ超優秀な人は日本でも40才から45歳まででこれくらいもらっているのだろうか?逆に日本のことを調べていなかったのでこれからいろいろと聞いてみたい。コメントいただけると幸いである。

次に重要だと思ったのは育てたもしくは育てている学生数である。PhDの学生に絞ると3人がすでに卒業、もうすぐ卒業する予定なのが1名、来年の卒業予定が3名、そのほか7名が現在彼のもとで指導を受けている。たった5-6年でここまで拡大している。この数は今の日本とか先進国ではあまり考えられる数ではない。この国特有のことでもあると思う一方で彼の研究所は今国家主導で行われてる新たな研究プラットフォームを作る計画の一部としてもとらえられているため最近PhDの学生が一気に増えたのかもしれないとおもう。個人的には彼のグループの学生と研究をしていてもかなり優秀だと感じた。仕事も早いし議論もキチンとできる。日本人の博士課程の学生を見ることもあるが少しタイプが違う優秀さである。

その他獲得したとかオーガナイズした学会とかあるが僕が評価したいなと思ったのはメインで上の四つ。さて自分がこれをできるかっていうと条件が異なってくるが、一方で目指すべき方向というものは頂いた気もするしはっきりとわかりやすい目指すべき数字みたいなのもわかった気がする。やはり研究者はまず論文で論文をしっかり出すこれに尽きる。さらに自分の状況に置き換えると、そのほかには装置運営、グラントを申請し続けてできれば取る、学生を含めたユーザーベースを育てるというありきたりだがこれらの方向性がはっきり見えてきたところである。今回は大変勉強になった。

中国語単語(Chinese Verbs)③足の動作

  1. 来:他来了多长时间了?
  2. 过来:请你过来一下。
  3. 去:我去你公司把。
  4. 走:我马上就走。
  5. 跑:他跑得满身打汗。
  6. 跳:他高兴得跳了起来。
  7. 站:站在那儿的是谁?
  8. 坐:他坐在沙发上。
  9. 到:他已经到家了。
  10. 回来:妈妈下班回来了。
  11. 回去:他早就回去了。
  12. 回家:下了班直接回家。
  13. 出来:请你出来一下。
  14. 出去:他有事出去了。
  15. 进来:进来休息一下。
  16. 进去:你先进去吧。
  17. 出门:今天一天没出门。
  18. 逛:我们出去逛逛吧。
  19. 赶上:緊赶蛮赶终于赶上了。
  20. 停:把车停在这儿。
  21. 离开:离开家乡已经很久了。
  22. 集合:明天六点集合。
  23. 散步:傍晚在公园散步。
  24. 旅游:他们全家去国外旅游。
  25. 上车:在王府井上车。
  26. 下车:请问,在哪儿下车?
  27. 坐车:坐车一下子就到了。
  28. 骑车:他每天骑车上班。
  29. 出发:明天一大早出发。
  30. 到达:顺利到达北京。

How to become an associate professor(1/2).

I have just submitted a report and wrote a recommendation letter for the promotion to the rank of associate professor position at some university in some country. It was a great pleasure to perform this review for one of the outstanding scientist’s works and achievements. On the other hand, I have learnt so much and got a chance to contemplate my career and the strategy I will take from now on. I believe how hard to become an associate professor in the university depends on where you are and what academic field you are in. However, maybe some of you could find something here so I leave my notes here.

Firstly, before the evaluation, the candidate asked me if I can be a referee for the committee of his promotion and I can write a recommendation letter. I said, yes. I was surprised to learn that the candidate needs to collect 18 recommendation letters. Non-co-authored scientists with the candidate have to write these recommendation letters. That is a great number.

Then, the university emailed me and asked me to be the referee of the promotion. The promotion committee in the university chose 12 referees to help them to evaluate the candidate’s work to make their decision. So I was one of them. The committee asked me to submit a report. By doing so, I was offered 170 USD for this work.

The committee asked me to write a report in terms of the points below,

  1. The description of my relationship with the candidates. 
  2. The comment on the extent to which the research achievements of the candidate. Does he/she meet the international academic standard and benchmarks in the field, especially in terms of the quantity and quality of publications?
  3. The comment on the candidate’s impacts and potential impacts on the field.
  4. How would you rate the research performance of Prof. ****** in comparison with the candidate’s peers who are in the similar career stage?
  5. Considering the research performance of the candidate, how likely would he be promoted at your institute?

These five documents are provided to evaluate his work,

  1. Curriculum Vitae of the candidate
  2. Self-assessment Statement
  3. Research Profile
  4. Five representive scientic papers
  5. Teaching portofolio

1 and 2 are basically the same, 1 is provided by the university however it looks like the candidate filled in the form. 2 is much easier to read so I basically read this document to evaluate his work. I should’ve done it in the first place.

These documents provided information about his educational background, the history of fundings he has been granted, the students he has educated (from undergraduates to PhD), publications and patents, the courses he has taught in the university, the summary of his scientific achievements, the awards, and so on.

3 is more objective data. The document provides the number of his publications as the first author, the corresponding author, the total number of papers including coauthored papers, and its citations. Also, the document provided the link of the candidate’s profiles on GoogleScholar and Web of Science and so on so I could check all these publications, citations, and numbers.

4 is just 5 papers selected by the candidate. 5 is his teaching portfolio.

By reading all the documents, I could understand his contribution to science and the university. I was asked to prepare the report in one and a half months. I have written the report in English with about 10k words or so. The recommendation letter has the letterhead from our institute and I gave my signature before I send it to the university by email. I could finish two weeks before the deadline. So I can do more of my own scientific work now.

It is getting longer now so I will write more in detail in the next post. I won’t share any insider or academic information of the candidate however I will provide what I have learnt. I have learnt so much by reviewing his achievements. And, I could get some ideas how I spend time for the next 5 years. I learnt it is not easy to become an associate professor at a recognized university. I learnt how hard competition is in the academic world, especially the international academic world. Next time, I will look more into the numbers such as the number of publications, the number of PhD students, the number of granted fundings. So I can analyse my own position and find some tactics. So I can discuss here what do I do to get the level in the next 5 years or so.

准教授昇進を審査して学んだこと①

今回はある国のある大学の准教授の昇進について評価委員を仰せつかってそれについて英語で一万字ほどのレポートを書かせていただいた。つい先ほど所属機関のテンプレートで英語で定型の推薦書の形に文章を整え、自分のサインを入れて担当者にメールで送ったところ。ここでは今回学んだことをまとめておこうと思う。正直に思うことは准教授になるっていうことはそれほど甘くないなっていうこと。これに比べたら日本で准教授になるの超簡単じゃない?とも思えてくる(実際にはそうではない)。研究者として生きている国にもよると思うし分野によると思うし一概には言えないが。やはり名のある大学できちんと教授をしているということはすごいことなのだなと思った。

まずどのように選ばれたのかだが、これは私が候補者から依頼を受けて推薦書を執筆してほしいのと、私を評価委員のメンバーの候補に入れていいか?と聞かれたところに始まった。候補者は共著論文のない18名から推薦書を集める必要があり、この評価委員は大学によってえらばれた12人が書くレポートにより、候補者の昇進が妥当かどうか評価されるということのようだ。この時点ですでに大変そうだと思ったのが正直なところである。

その後大学によりその評価委員のメンバーに選ばれたため、評価をお願いできないかとメールが来た。その際、以下の点について主に評価をしてほしいと言われる。それを1カ月半ほどの猶予をもらえるのでレポートを書いてくれということだった。いやらしい話、それをやってくれれば170USD(2万円弱ほど)の報酬を頂けるということだった。

候補者の業績についてのレポートは以下を中心にまとめてほしいとのこと。原文は英語であるが日本語に直すと以下のような感じ。

  1. 評価者と候補者の関係についてご説明ください。
  2. 候補者の研究業績を分析しコメントいただきたい。候補者の研究水準が特に書いてきた論文の数や質において国際的な研究水準や基準値を満たしているか?どうかを中心に評価をお願いいたします。
  3. 候補者がこれまで行ってきた研究がその研究分野に対してどういうインパクトを与えてきたか?またこれからどういったインパクトを与えていくことが期待されるかについてご意見をお願いいたします。
  4. 同じキャリアステージにいる同じ分野の研究者と比較して候補者の研究業績をどのように評価しますか?
  5. 候補者の研究業績であれば、貴方の所属機関ではどれくらい可能性で昇進が認められるのでしょうか?

以下の5つの資料が参考にするものとして準備されていた。

  1. 大学が準備したと思われる候補者の履歴書
  2. 候補者自身が準備した研究歴
  3. 候補者の研究業績の客観的データ
  4. 候補者の代表的な論文五篇
  5. 教育構成自己資料

1は候補者が入力したものだと思われるが、大学のフォーマットで彼の履歴書がまとめられていた。この1と2はほとんど同じ内容。。2は候補者が自らまとめたもののようで非常に読みやすい。最初は一生懸命1を読んでいたが途中からよくまとめられている2を参考にした。最初からそうしていればよかった。

これら2つの資料には大学入学から現在のキャリアまで詳細に書かれており、彼の受賞歴も細かいところまで書かれていた。この資料に書かれているのは彼の学歴、研究資金獲得歴、論文、受賞歴、大学の授業歴、指導した博士課程学生、代表的な研究業績のまとめなどが記入されていた。

3つ目の資料では論文に関してもう少し客観的なデータ。例えば第一著者でどれくらい書いてあるか?責任著者でどれくらい書いてあるか?論文の総数とかその論文の引用数。また Web of ScienceやGoogle Schalorなども参照して過去10年間くらいの論文数及び引用数がどうなっているか。候補者のプロファイルのリンクまで張ってあってすべてチェックできるようになっていた。

また4は単純に代表的な論文を五つ選ばれていた。最後の5は大学のシラバスも含む候補者の授業で使われてきた資料やコース内容などがまとめられた資料があった。

大体これらをすべて読んてくると彼の貢献度というものがわかってきた。これらを評価して大体一カ月半程度で評価レポートを書いてくれとのこと。英語一万字くらいでまとめ書いた後は所属機関フォーマットのテンプレートで文書を綺麗に見れるように直し、英語の推薦書の定型に形を整えて、自分のサインを入れて提出しました。締め切りの二週間以上前には終えて先ほど提出したところだ。

少し長くなってきたので今日はここら辺で終えて実際にどれくらいの基準で彼は審査を受けていてどのような業績を挙げていたかまとめていきたいと思う。もちろん研究内容や個人がわかるようなことには踏み込みまないつもりだ。ただ、これらをまとめることにより国際社会では准教授という職がなるのがどれくらい難しいものかを知ることになった。私自身は自分もどのような方向でどのレベルで自分の研究を進めていこうかという具体的な指針となったので次回は具体的な論文数やグラント獲得額、育てた学生数なども具体的に書きながらまとめてと思う。