甲:您是教师吗?
乙:是的
甲:您是中学教师,还是小学教师?
乙:我是第二中学的教师。
甲:现在谁是校长?
乙:杨玉珍同志。
甲:噢,她是我的老师。
乙:您也是教师吗?
甲:是。不过我不是中学教师,是小学教师。
甲:您是教师吗?
乙:是的
甲:您是中学教师,还是小学教师?
乙:我是第二中学的教师。
甲:现在谁是校长?
乙:杨玉珍同志。
甲:噢,她是我的老师。
乙:您也是教师吗?
甲:是。不过我不是中学教师,是小学教师。
It has been a while since the new year started. The COVID-19 new cases here in NSW and the rest of Australia are growing so rapidly. I hope the situation will still be under control here. I got the 2nd dose of vaccine with Pfizer in mid-October in 2021, so it is time to book a booster shot maybe after March. Stay safe everyone.
I wrote my new year resolution in Japanese a few days ago and uploaded it here. This year 2022 would be another year of the pandemic? I am not sure but I have a plan for myself.
For physics, I will be still working on the two papers I really would like to finish. These projects, I have spent more than 8 and 10 years. Now it is close to the ending. I have another paper, I want to finish. These three projects are very important to me. If I can finish them, I can be very confident about what I have done so far as a physicist. These three papers are also my scientific project that was granted last year. I hope I can finish these three papers so I can write a good interim report. I am grateful to have this grant, I thank Taiwanese taxpayers to support my project. I hope I can contribute some by writing good papers. Also, I think I need to keep proposing my scientific proposal whenever I have a chance. That would help me to shape my ideas and I can address that to my colleagues who would review them. Even if it fails, I will learn something. Anyways, these three papers are the most important job to finish this year.
Also, I am an instrument scientist for a neutron cold triple-axis spectrometer for more than 7 years since I started. I now understand neutron inelastic scattering better than before. I believe I have learnt so much but I will learn more in the future. Now, I am an expert on this instrument and its techniques. However, I am not done, I would like to do more and be more productive in creating more scientific papers and knowledge. One way is to continue my own research. Another way, I will try to work with my users in many scientific fields where the cold neutron triple-axis spectrometer can cover. Finally, by 2021, I started feeling I am creating research groups of my own as well. Each group has its own scientific projects, which from protein, thermoelectric material to skyrmion. I am going to be 40 this year and now I am excited to work on these at this stage of my career. I feel I am making these groups from zero bases. That has been fun. I am now confident that we can do many things. I really would like to try it.
I am now reading and listening to Nudge: The final edition by Richard H. Thaler and Cass R. Sunstein. I like their ideas for this book. I have known this book but I didn’t read it carefully. I have so much to learn from this book. It is important to architect our choices sometimes by using the knowledge of behavioural economists. So much to learn, hope I can summarize the book soon here.
This year, I would like to improve my English proficiency. A few days ago, I finished reading the book about learning a foreign language especially English. The author says, in the end, the precise understanding of grammar and building better vocabulary matter if you want to have a great command of the foreign language. So I have to keep improving even though the improvement that I can feel is tiny. I got many ideas to try from the book, so I will try. My final goal in English is to enjoy reading books because I love reading. If I can enjoy reading any English books I pick up, that would be great. To reach that level, I just need my continuous effort to improve. But I can do this.
Another goal of this year is to improve the quality of this blog. I have learnt people are reading my Australian share analysis in English and book reviews in Japanese. For the Chinese language, I don’t have any popular blog posts but I will come up with one. But writing these are great fun and useful for me to learn better. So I will keep writing it. Hope some of you can give me comments on how do I improve my writing.
Thank you very much! Let’s enjoy 2022 together.
私は29歳まで日本で過ごした純ジャパである。それからアメリカに2年3カ月そして今はオーストラリアに来て7年2カ月が過ぎてしまった。英語に関してはマンネリ化を感じていて日常生活で困るというか困っても無視するメンタルができてしまったがために向上心を忘れてしまったかのようだ。アメリカにいたときはものすごく努力していたがオーストラリアに来て努力を怠るようになってきた。むしろ特に給与が上がるわけでもない英語学習に時間を割くのは効率が悪いようにも思えてきていた。私は科学者であるから英語で論文を書くことが大事だし常に論文を読んでいて、またいろんな文章を英語で書いているが成長している気が全くしていなかった。数年前まで英語で本を読むのが好きで英語の本をたくさん読んでいたが私の最終目標である本を楽しみたいというレベルまで来たように錯覚してしまった時期もあり、あるとき難しい本に当たると読むのをやめてしまうなどということが起こった。何が起きたかは心理的には明らかで早く読みたい気が勝ってしまっているのだ。はやく情報を得たいという気持ちである。たくさん読まなければという気持ちもあった。ここで気を取り直そう。ゆっくり正しく読む。そして正攻法で英語力をきちんとつけて長い目で英語をきちんと物にしたいと思い直してところでこの本に出会った。
本書の前半では井筒俊彦、西脇順三郎などの語学の天才とされた人々を紹介し彼らが語学学習者としての最高地点というものを示しながら、ある一定上の語学力に達するためにはまずは膨大な文法理論の習得を目指すべきと説く。天才たちの知的探求心のレベルの高さにおののきながらも著者の言わんとしていることは勉強は平凡で地道なものを徹底的に重ねているにすぎないということと理解した。前半からところどころで参考書の文献は紹介されており、結局受験勉強が大変役に立つのだということを示されている。結局そこに行きつくのかと思うと後悔また自責してしまい落ち込んでしまう一方、やれることは地道にやるだけという覚悟もできる。なので自分自身は文法の勉強と精読にこれから力を割こうと決意した。一方で英語の本を読み続けるのはやっていきたい。毎朝研究を始める前に必ず30分の教科書を読んでいるが真面目に読むと1-2ページしか読めず一年で一冊しか読めないことになる。物理学の場合は英語が読めないのか数式や論理が理解できないのか微妙なところもあるが、気の遠くなる作業であきらめたくなるがこれしか道はないのだなと最近覚悟を決めた。著者の言うようにとにかく英語学習においてはどこかの段階で覚悟を決めて、緻密に分類された文法知識を大量に身につけなければ、普通の人は高みに達することができないのだという。今まで逃げてきた自分が情けない。大量に読んで聞けばなんとかなると思っていたが、これからはきちんと勉強します。
その後、読むことに話が移っていく。文法の基礎力を固めたら読解演習だと説いている。読む、聴く、書く、話すの四つの技能のうち、読むがすべての基本だからだ。読めるからこそ、聴けて、書けて、話せるのだから。前半でも文学の理解が語学習得の最終地点であることは間違いないと言っている。またそこに行きつくまでは地道な語学的鍛錬が必要なのだとも。高い読解力は聴く、書く、を高いレベルで行うための前提の力であると言ものでなく、現代においてはこれまで以上に不可欠なものになっているという。
これは我々物理学者でも同じで現在では簡単に論文がアクセスできるようになってきているし研究者の数も過去よりも多い。まずは論文を検索して今まで研究がされていないかどうか調べることもある。また最近の論文の参考文献は以前よりも多いと感じる。研究者も論文をこれまでよりもたくさん読んでいる。しかし高い読解力は物理を理解する力と英語を理解する力両方があり、物理の論文ではもしろ物理の理解の方が大きいように感じるが、常に思うことはきちんと読解する重要だということ。物理のような科学の場合、きちんと物理を理解したら必ず疑問や次への研究のアイデアが生まれてくる。さらに著者の意図や研究の方向性なども見えてくると研究が楽しくなってくる。一方で論文を読むのは仕事ではない。論文を読むのは仕事の準備段階だ。論文を読むのは過去の研究を知る勉強で、それから先に進む研究ではない。しかしながら、過去に積み上げられた研究はたくさんあるしそれを理解しなければどういう研究をするかというスタート地点にも立てない。なので大量に読まなくてはいけない。限られた研究の時間では論文を丁寧にゆっくり読む時間を取れないような焦りが出てくる。私はここにきてやはり急がば回れで論文をしっかり丁寧に読むということをやり直したい。そしてより良い論文を書きたいと思いながらたくさんの論文を読んでその読解の質をあげていく努力を続けて行きたい。
その次には語彙力。余り特筆してここに書きたいことはないが語彙力は自分なりには結構発音と一緒に数年頑張ったが僕個人的には熟語が弱い気がしている。熟語が問題なのは意味が分からない場合全く意味が予想できないから覚えるしかない。著者が推薦していたいくつかの本を読み直して覚え直そうと思う。単語耳で8000語を何百回も発音続けていたのは30歳前後であの時には単語しか覚えていない。単語は文章が読めなくなるほどわからないことはほとんどないが熟語実際に出てきて意味が分からないこともあるので復習をしておこうと思う。
その後は音読と筆写を行うことによって英語のセンスを鍛えることを鍛えられることが書いてある。音読は環境の関係であまりしなくなったが前はかなりした気がする。筆写が良いというのは今まで考えたことがなかったのでコツコツと良い英文を見つけてやっていこうかと思う。ここは自分自身は英語で読んだ本を英語でレビューするということをしようと思う。今まで一冊読んだらレビューしていたがこれを章ごとにすることによって本の理解と筆写を兼ねられるかもしれない。何度もやれということだが発音と同じで英文をきちんと身に沁み込ませるという作業なのだろう。
その後私が興味を持ったのは第八章のネイティブスピーカーの限界と底力というところ。たぶん自分自身は本書で書かれているこのレベルなのだと少なくとも自分では思いたい。論文を書いて初稿の時点でネイティブにRead wellといわれたので意味は通じているみたい。ただし逆に日本人にネイティブに見てもらいましたか?って聞かれるので文法の間違えが目立つのだろう。ネイティブの上司を持ったことがあるが意外とネイティブに文法を直されるどころか僕ですらネイティブが間違っているのではないかと思ったところが幾度もあった。なんとこれが相手は雑誌のエディターレベルなのだ。なのでネイティブでも本気で読まなければ論文の修正は容易ではない。ただネイティブの底力といえば私の同僚で最も英語力があると思っているネイティブは同じ文字数で論文の内容を変えずに全体を書き換えられるほどの英語力がある。これを聞いたときにはさすがにこれは無理と思って、これからは彼に論文を見てもらいたいと常々思っていて、コツコツと自分の論文を書いていこうと思っている。アメリカにいたときの上司は英語ネイティブではないが相当の語学力の持ち主で彼女の論文は通りやすいのだ。物理で英語の論文を書いた場合はやはり物理で面白いっていう論文を書いて、ネイティブの人もこの物理は面白い何とか論文が通るようによい英語にしてあげたいって思わせなければきちんと読んでもらえないのだと思う。なので本職の物理でよい研究をする、そしてなるべく早く見てもらえる原稿を仕上げてたくさんいろんな人に見てもらう、そしてたくさん書くしか道はないのだろう。
第九章で英語に吞まれないためにという章がある。ここも面白くて英語推進派と反対派の対立があって両方論理は通っていることを説明している。なるほどなと思う。私は少し反対派の傾向があったがこれからはフラット寄りになっていくと思う。結局、英語ができる人は日本語もできるロジックの問題だというのは面白かったし。私に置き換えると良い物理かな。きちんと良い物理を確立できれば面白いことを書けると思う。結局は論理的構成力の差である。自分自身の場合も自分が組み立てた物理の成果がハッキリとしていれば書きやすい。この章では語学の天才の母語に回帰したことも書いてあり、レベルは違えども40手前にしてまた母国語で古典などを読み直している私には妙に納得できた。結局英語に呑みこまれないためには緻密に文法理論を学び、そのうえで理詰めで英文を読解し、同じような姿勢で英作文に取り組むということだ。ああ、今まで怠けていた自分が情けない。論文もなんとなくたくさんの論文を読んでなんとなく苦しみながらやっと原稿を仕上げていたがそれぞれ自分が書いているものに文法的な解釈をしながら書いたことないなと。それは文法に対する感度があがっていないことを示していてやはり文法を勉強して英語に戻ると感度があがっているからいろいろなことに気が付いたりする。やはり文法をたくさん勉強してきちんと読解して論文書いていきましょう。英訳と日本語訳についても書いてあってこれについては真面目に良い英文を見つけたら日本語に、良い日本語を見つけたら英文にしていこうと思う。それはこのブログに上げていくのも良いかもしれない。
最後にたくさんの参考文献があり、これは大変参考になった。英語でも語彙力や文法の勉強もしている。論文でも自分の文体を作るまでには程遠いがモチベーションはあがってこれからも楽しみながら頑張っていきたいと思えるようになった。これからも正攻法でコツコツ勉強しながら書き続けていこうと思う。
A Famous book called TOP STOCKS by Martin Roth in Australia which just had its 28th edition last September describes that the Commonwealth Bank of Australia is the only company that has met the criteria for the book over 28 years. That means it is publicly listed during the time and it is a top 500 Australian company. They should have 28 years of profits and dividend payments. In addition to these, the ROE of the company exceed more than 10% and a debt to equity ratio is less than 70% over the 28 years. I believe the company anyone who is interested in Australian share has to look into. The company is based in Syndey and was founded in 1911. It is one of Australia’s largest banks, provides home loans, personal loans, credit cards, and is the largest holder of deposits. Commonwealth Securities is Australia’s largest online stockbroker. On the other hand, anyone in Australia knows this bank and can look at it so it can be already expensive to buy. Let’s see the position of the company.
2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | |
Operating income (A$m) | 25386 | 24914 | 23579 | 23761 | 24156 |
Net interest income (A$m) | 17543 | 18342 | 18224 | 18610 | 18839 |
Operating expenses (A$m) | 10626 | 10995 | 10824 | 10895 | 11359 |
Net income (A$b) | 9.93 | 9.33 | 8.57 | 9.59 | 10.18 |
Earning per share (EPS) (cent) | 563.4 | 510.6 | 465.78 | 421.50 | 488.59 |
Dividend (cent) | 429 | 431 | 431 | 298 | 350 |
Net tangible assets per share (A$) | 30.79 | 33.14 | 34.88 | 36.8 | 40.49 |
Net interest income to total income (%) | 30.9 | 26.4 | 22.7 | 21.7 | 22.0 |
Cost to income ratio (%) | 41.9 | 44.1 | 45.9 | 45.9 | 47.0 |
ROE (%) | 15.7 | 13.7 | 12.0 | 10.3 | 11.5 |
ROA(%) | 1.0 | 0.9 | 0.8 | 0.7 | 0.8 |
As Top Stock describes, banks are somewhat different from other companies. EBIT and debt to equity ratio have little relevance for them. These numbers are taken from the Top Stocks 2019-2022 except for net income.
Here, operating income is used instead of sale revenues (=total interest income – total expense + other income such as bank fees, fund management fees and income from other businesses). Banks borrow money and lend it to businesses, homebuyers, other borrowers, the difference is knowns as net interest income. Operating expenses are all the costs of running the bank.
The numbers are surprisingly flat. I am not sure how we treat 2020 and 2021 but the Australian economy is flat so I think it is reasonable. But at least, they are stable. EPS are not good last three years. The bank pays out 71-72% of EPS as dividends to investors in 2020 and 2021.
Net tangible assets per share are the theoretical value of the company per share. We could see this is higher than the actual price but if we want to see this is reasonable, maybe I would need to compare with other banks, I will need to do this another time. The net tangible assets per share of CBA is gradually growing last 5 years even under the COVID-19.
Net interest income to total income (%) shows how the bank diversifies the income source other than traditional banking business, so surprisingly the CBA has only 20% or so in the last three years. The cost to income ratio (%) shows how the company manage the cost. Since the bank has a high cost including numerous branches, their computer system and many stuff. The company is managing good but the number should be compared with other banks. This should be my homework as well.
ROA should be usually lower for banks since they have enormous assets. The ROE of the company was over 10% last 28 years.
The share price of the company was about $80 per share in the last 5 years but since June 2021, it exceed $100 per share. If you need a 3-3.5% dividend income, the company is good. The company can keep ROE of 10% and can manage well in the past. Also, if you think Australia will grow well in the future, the share price of CBA should also keep up in the long run. Also, the share price would keep up with inflation since their business is all over Australia. I believe the company should be for long term investment.
物理学者としてはキャリアは順調というか踊り場というか。どうなんだろうか?40才を手前にして自分の才能のなさを痛感する一方、まだあきらめたくないところもあり、頑張れるだけは頑張ろうと思う。ここにきて自分にしかできない物理学を展開し始めていると思う。それが大変な成果につながる様子も全くないがそういった創成的仕事よりもやれば成果を残せる技術賞的とか努力賞的研究はやればできるんじゃないかと思えてきた。それには今やっている仕事を何よりも確実にこなしていくことが大事でその先にさらなるイノベーションを起こしていける自信はある。そのポジションを確立して維持しながら論文をとにかく書き続けて本当に実力が必要な大変な成果が出たときに確実に仕留められるように日々の成長していこうと考えている。
2021年は周りの評価があがってきたが私の成果と実力が伴ってこなかったと感じている。よく考えると常にそうだった気がする。成果も論文数だけでとらえると最悪だ。2021年末にはある大学の准教授のポジションを評価する委員に選ばれて向こう1カ月間かけて彼の業績を評価しレポートを書いていく。これは名誉なことで准教授を選考することまたレポートを書くこと自分の昇進についてもよく学べるきっかけになると思うのできっちりとやっていきたい。自分については日本でのある准教授のポジションの公募について打診があったものの応募しないことにした。理由はここには書かないがしばらくは日本には帰らないという決断をした。またアメリカ物理学会の論文を5回ほど査読したり、オンラインを通してだが台湾やオーストラリアや日本などで招待講演3本に口頭講演3本も行ってきた。日本中性子科学会にも人材育成について記事を書かせてもらったり、さらにはMaterial Futuresという雑誌のEditorial Board Memberに選ばれたことなどを考えると少しづつサイエンスコミュニティに貢献できることが増えてきたかと思う。与えられる仕事はきっちりと期待以上にこなしていきたい。
個人的な研究に関しては今年は3本の論文は絶対終わらせたいと考えている。そのうち2本はもう構想から8年とか10年とかかけてしまったがやっと終わりが見えてきた。誠に情けないのだがもう少しで終わらせられるように最後のとどめを刺せるように毎日逃げずに原稿に向かっていきたいと思う。この3本の論文を終えると自分自身にも自信が出てくると思う。なので今年はこの3本の論文を中心の今年のキャリアは考えている。またこの3本の論文は私が2021年8月から2023年の7月の2年間かけてやっている非共線型磁性体に対する中性子散乱の研究という題目で台湾の科学技術省のプロジェクトに選んでもらっているものなので台湾の納税者に感謝してこの分野でははっきりとした成果を残してこのプロジェクトを終えたい。次のプロジェクトへのアイデアも練りながら一生懸命やっていこう。
技術的には先ほど書いたのだが、一つは今まで培った実験技術(中性子非弾性散乱実験)を誰よりも数多くこなすことによってエキスパートになりさらに効率を上げていくこと。世界中でも私ほどこの実験ついてやってきた人は過去五年ほとんどいないと思う。いても数人だろうか。もう一つはこれまでは難しかった実験技術(偏極中性子散乱実験)を誰よりも多くやることにより世界でも有数の経験値を手に入れたい。この偏極中性子実験は普通の人にはアクセスすらも難しい珍しいものなのでしっかりと今のポジションでやれば少なくとも経験値は世界トップクラスにはなれる。後はこの経験値をどう吸収し、成果につなげ、発信していくかでは自分の実力になると思う。一方でこれは私のポジションにいるから可能なことで実力ではなく運であるが、このラッキーなポジションからしっかりと結果を得るということを大事にしたい。実力はコツコツとつけるしかない。
一方で最近出てきたのはこれから専門分野を広げる流れである。私個人は磁性物理学を中性子散乱実験を手段として研究してきたが、ここにきて分野が広がりつつある。これは意識的にいろいろな科学者と協力しながら分野を広げていく必要があるが世界中の科学者と手を組みながら少しづつでもやっていきたい。例えば偏極中性子をつかって生物分野のたんぱく質の実験ができたり、中性子非弾性実験ではエネルギー分野の熱電変換材料の研究、また磁性では今まであまりやらなかった磁気スキルミオンの励起の研究だったり、少しづつ広がってきた。すべて最先端だが最先端にはその難しさがあるが楽しさもある。
さらに少しづつだが自分が作り出したと思える研究グループが少しづつ生まれてきた。今の時代にふさわしくたくさんの国の研究者に自分のアイデアを元にある物理とかサイエンスに研究を展開していくことが少しづつできるようになってきた。かなり難しい実験や研究をやっていくことが成功するかはわからないがいろんな専門家を集めてきてさらにそれらをグループ化して挑戦する研究課題をひとつひとつ超えていきたい。
あとはこれから少しづつ発信力もつけていきたいと考えている。科学者としての最大の発信は自分の論文の発表である。一方で少しづつでも教えながら自分がやっている物理学への理解を深めていきたいと考え始めた。コロナ禍でたくさんのプレゼンテーションをオンラインで行ったが自分の持っている基礎技術や良い論文を読んだ時の理解も勉強会にしたりプレゼンテーションにして残していくこともいいかもしれないと思う。一方でこれらはやろうとしても大変なことだ。今までやってこなかったことなので、このように年始の余裕があるときに書いている寝言かもしれない。ご意見などいただけると幸いだ。
あと5年位はこれらをしっかりとさらに数多くこなしていけば科学者として生き残れるくらいの成果少なくともあげられる。しかしトップレベルの科学者となるにはそれ以上の才能がいると思うのでなかなか自分では何ともしがたい。しかしやっと自分にしかできない物理ができ始めたこと、世界一を目指せそうなことがいくつかできてきたことにより少しづつ今後少なくとも5年間くらいは目指せるものができてきた。今後10年位にどうなるかわからないがこの5年位を走り切るつもりで今年一年を集中して研究していきたい。
英語と中国語について。語学学習についてはここ一年ほど中国語を勉強しているが、大学一年生以来の第二外国語である。ここ一年ほどは毎日勉強してきたが、できるようになったことは増えた一方、語学には相当の時間が必要なことがわかる。このブログは日本語、英語、中国語で書いてきたが、毎日交互に書くことでこの3言語での能力が明らかにわかってきた。今は中国語では自分の考えていることを表現することすらできない。一方で毎日たくさん勉強したってすぐに自由に書けるようにはならないし一生ならないかもしれない。英語も頑張ってきたかと思うが英語圏に住んでいてもコツコツと勉強して成長していかない限り後退なんだと思う。ここ数年は後退してきたといってよい。というか母国語に対しては英語力もまだまだということがわかってきたが、外国語ばかりやっていると日本語力が上がらないというジレンマがある。この日本語、英語、中国語のトリレンマにたいしてはどう対処していくか?三か国語を同時に鍛えようとすると毎日少しづつという方法を最初に思いつくが少しづつやることが増えすぎてコンスタントに勉強ができなくなってくる。二人目の子供ができたら一人目よりよくわかっているので経験値は積んでいる一方かかる手は増えてひとりにかけられる時間が減るのは当たり前みたいな。それぞれの言語に対して今の課題は何かを整理してどの課題に週にどう配分していくかそこには頭を使わないように計画を立てていこうと思う。頭を使うと作業が止まる。語学については愚直に語彙と文法を鍛えなおしてそしてその延長上に次のレベルがあるのだと思う。リーディング力がすべてだと思うからリーディングの時間を毎日とっていこうと思う。日本語と英語(あと中国語も少し)両方読まなければならないので時間がないのだがここら辺のマネージメントはうまく考えないと頭を悩ませているところだ。。
読書については上の語学のところに書いた。読書は総合力でアウトプットの源泉なのでアウトプットを意識しながら3言語で毎日時間を割いて読んでいく。あまり急激に読書力があがっていくことを期待しないで毎日毎日少しづつゆっくりでもいいから読んでいこうと思う。日本語は再度読み始めたのは2020年あたりから、英語の本も読めるようになったと思ったところが何か読めない本にぶつかったりするとすぐに習慣から外れてしまう。ビビってしまうのよ。愚直に読む、短い文章も長い文章も論文も教科書も時間を取って読むということをやっていくことを続けて行きたい。ブログに書いてよく理解しようと思ったが、今の英語力とリーディング力とライティング力では今の実力では本のレビューではなく章ごとにレビューしていくほうが良い感じがしてきた。
究極語学力はリーディング力である。今ざっくり決めてみると外国語の場合は語彙力と文法は必須でこつこつと勉強していく。逆にこういうことしかコツコツできないのかも。リーディング力は焦っていると上がってこない。今までたくさん英語の本を読んできたがあまり身についてきていないのではないかという危惧がある。たくさん読むことよりも丁寧に読むことをこれから逆に心がけたくて少しづつまとめをブログに書いたりして質の高い精読力をつけながら量を読むことも同時にやってきたい(結局欲張り)。先ほども書いたが日本語においても英語においてもそして中国語においてもリーディングの時間を毎日とるということを理想的にはしたいが、実際にはうまく行かなかった。なぜなら頭の中で今日は何をしようか悩んでいるうちに無駄にニュースやYoutubeなどをみてしまい時間が過ぎてしまうからだ。なのでこのブログの様に毎日何を読むか事前に決めておいてそれに従ってこなすように読書をしていかないといけないと思う。さらにブログにかいたり勉強会に参加するなどしてアウトプットもしていかなければと思う。勉強会などと硬いことを言わずにクラブハウスなどで話すだけでも良い。まだ中国語は難しいが、英語や日本語でアウトプットの機会を作りたい人、誰か一緒にやりたい場合はぜひ声をかけていただきたい。
次に投資について。投資は大学院生の時に始めたのでかれこれ始めて10年以上たっているが、途中でアメリカにいたときとオーストラリアに来た当初途切れてしまっていた。計五年ほど。これに対してはかなりの後悔がある。まあ法律など自分の給与体系などわかりずらかったのもあるし特に生きるので必死だった。仕方がない。直近3年あたりは資産状況のモニターもよりクリアになってきた。直近3年では純資産は約月3%の伸びを示していて昨年の一年間の伸びは57%。(これは投資の利回りではないことに注意)よく成長してきたかと思うが、このコロナ禍で株式が急成長していること、資源高でインフレが進んでいることから全く気が休まらない。2021年末には奮発して高級ホテルでステイケーションしたが高いものほど物価は上がっていっている気がする。投資はオーストラリア株を中心に年をしたがまだまだそれぞれの株の下調べは甘くもっと調べてから投資していきたいと思うのが一点。また一方でインデックス投資もコンスタントとに行っていきたいし、さらに分散も意識しながらコツコツと資産を蓄えていくしかないと思う。長期志向だが毎月の積み重ねを頑張っていこう。投資は長期・積立・分散というがまったく正しい。また三つの力、稼ぐ力、貯める力、投資する力のそれぞれが必要だが意外とすべてがそろっている人はいないとひふみ投信の藤野英人氏がおっしゃっていてなるほどなと思った。また人はえてして得意なことをやってしまうと。今年は苦手なところを人並に持っていくことまで頑張ろうと思っている。オーストラリア株の分析はこれからもしっかりとやっていきたい。会計の本を読みながらわかったこと理解したことを解析に少しづつ加えながらやっていきたい。目標は週に1社くらいは分析したい。2022年末にはどれくらいの解析を加えられるだろか?20-30社くらいはやっていきたいなと思う。また2022年は暴落にも備えていかないとと考えながら投資していくことになるだろう。今のポートフォリオでは暴落に対して備えてはいるもの津波に対する防波堤的な守り方よりもむしろミサイル打って止めます的な備えなので少しづつ防波堤を作っていきたい。つまり分散。。。頭ではわかっていてもなかなか難しい。
この株式投資では会計・ファイナンスの勉強に英語のリーディングとライティングの勉強を兼ねることになる。積極的に日本語の本も読んでいきたいすでに読むべき本は5-6冊は見当をつけていて書いて読んでブログにまとめていきたい。また政治や経済のための知識も必要になるため愚直に経済の本も少しづつ読まなくては。一方で企業ごとに分析をして財務諸表を読んで理解してわかったことを書き出してまとめてという作業を続けて行く。この会計・ファイナンスの分野では日本語でもたくさん参考文献があるし英語でも参考文献はたくさんあるのでそれらをまとめて説明してく文章を英語でも日本語でも書いていこうと思う。絶対読みたい本を決めてそれを章ずつでまとめていくとか、輪講に参加するとか勉強会をアレンジするなど考えていきたい。
ギターついては、練習をする時間が取れないというの嘘になるがもう嫌になってくるほど下手になっている。でもまだまだ弾ける曲はたくさんあってレパートリーもだいぶあったのを取り戻すことから始めなくてはならない。最近はエレキよりもアコギが好きなことがわかってきた気がする。さらにソロギターというのは自分にあっている気がするから目標は街中で弾くことと常に思っているが、とにかく毎日弾くということをしたい。21時以降は騒音のため弾くのを控えているが毎日あっという間に21時になってしまう。趣味だと思うけど、忘れていないだけでもいい。とにかくやめることだけはしたくない。
ランニングについてはこれはコンスタントというべきか毎朝6.5キロを大体40分前後で走っている。その前にストレッチや筋トレを含めると大体一時間弱の運動になるがこれは続けていきたいと思う。この40分前後というのは自分のバロメーターで面白いことに±5%もなかなかずれない。信号とかのタイミングもあるのだが。最近になってわかったのは健康が一番。しかもやせていたほうが体調もいいのできちんと運動して食事に気を付けてやせていこうと思う。特に自分は胃腸が弱い気がする。これは単純に年を取ったからかもしれないが、時々胃薬などにお世話になりつつお酒や油の濃いものは必要がない時には避けるようにしようと思う。とにかく体調が万全で胃の不調から来る不快感は出ないように食事や飲み物も考えていこうと思う。最近少し痩せたがやはり体が楽になった。一方で運動の方法はたくさんあって良い時代になったYoutubeでもボクササイズとかあって面白い時代になったなと思う。
今まで書いてこなかったが哲学についてはここ数年興味を持ってきていて、イマヌエル・カントの純粋理性批判についてある程度の決着をつけて書いて終わらせておきたい。カントはいまだに史上最強の哲学者と私は思っているが、この純粋理性批判にまだ十分に理解ができていないと感じているところがあるためその先の哲学者の研究に進みたくないということをもう3年以上もやっている気がする。それはカント哲学が難しいからだがいい加減自分の中で納得を付けてカントの他の哲学者も勉強していきたい。まずは一カ月くらいかけてもいいからカントの純粋理性批判はブログで5回くらいに分けてもいいので終わらせたい。頭では何度もわかったつもりでいたが実際に文章にして論理を組み立ててくると終わりがなく、どんどん書きたいこと説明したいことが出てくる一方、文章としては全くまとまりのないものになってくる。ここ一カ月くらいでその五回分の骨子くらいは終わらせてそのうちの最初の回くらいはブログに投稿したいなと思う。
その他として、今年は少しづつブログの質をあげていきたいと思っている。またSNSでのアウトリーチもあげていきたい。ブログの読者数は2021年はかろうじて過去最高を達成したがそれでもまあゴミブログである。しかしながら今年の頑張りで何が読まれるかは少しはわかった。3か国語で書いていくことは維持していくが、去年までのブログでわかったのは今のところ本のレビュー(日本語)とオーストラリア株(英語)の二つは結構読まれている。なのでコツコツとこの二つは書いていきたいなと思っている。中国語でもそういったテーマを見つけてみたいなとは考えながら毎日書き続けている。Youtubeなどで自分がどうしても勉強したいってことは誰にも見られなくても動画取っておいたほうが良いかなと思うがこれも膨大な時間がかかるのでなかなか難しいところだ。英語力と物理力の両方を鍛えるために良書の日本語訳を少しづつやっていこうとも思うがこれをブログに乗せながら少しづつ行うとやはり著作権とか引っかかるのだろうか。これは誰か教えていただけると幸いだ。
今思うのはそれくらいか。偉そうにやりたいことを書いてきたが年初の抱負などすぐさま忘れてしまうのが人間だ。最近は一年でやることよりも数年間のスパンで見ているから一年間も達成度は心配しない一方こういった進捗を確認することはしたいので再度この記事に対しては振り返る機会を設けたい。最後まで読んでくださった方には大変感謝している。今年もよろしくお願いします。
谢谢。Thank you. ありがとう。
不谢。No worries。どういたしまして。
对不起。Sorry。すみません。
没什么。不客气。No problem, no worries。大丈夫です。心配しないで。
您贵姓?What is your last name。あなた名字は何ですか?
我姓王。My last name is Wang。私の苗字は王です。
你叫什么?What is your name? あなたの名前は何ですか?
我叫张明。My name is Zhang Ming。私の名前は张明です。
I can’t publish it all here but I wrote a blog post here as part of the report on our progress of the Japanese swords project. Hope you are interested. We chose two Japanese swords related to Okinawa prefecture.
This time, our goal is to develop a new method to preserve the heart of Japanese sword technology. We use neutron tomography and the Bragg edge transmission method. When we use this method, we can see clear cracks and rust inside of swords and also differences in the crystal structure. The information helps us to identify the method of making swords and shools which made these swords. In addition to the literature, we can add insight into the swords without breaking them. This time we borrow two swords from Okinawa Prefectural Museum & Art Museum. These swords have histories with Okinawa prefecture.
The first one is the Japanese sword from the Ukada family. That sword is a heritage of the family. The report of the museum (Bull. Mus., Okinawa Pref. Mus. Art Mus.),№ 14, pp. 117-132. 2021 titled 「南風原町新川の宇久田家御拝領墓に関する調査報告」(meaning the investigation on the tomb of a great family Ukada) said Mr Matsukawa a prefectural staff request Mr Hagio a museum staff to investigate the tomb on 25th of July in 2019 (令和元年:Reiwa-Gannen) The report describes the treasures from the tomb and there is a description of the Japanese sword. The Japanese sword had been stored in the Ukada family tomb. The Ukada family have protected family genealogy and the swords for generations
Before World War II, the Ukada family XIV Zensuke (全祐)had 6 sons and 3 girls. The second, third and fifth boys had died at an early age. The firstborn son Harumasa(全昌)moved to Osaka, the 4th born son Masatatu (全達) had lived in Tomigusu, the 6th born son Masahiro(全廣) and his father had lived Shuri-Samukawa-Cho (首里寒川町), Zensuke shared three family treasures to these three. Harumasa(全昌) got the family genealogy and the sword, Masatatu (全達) got the copper mirror, and Masahiro(全廣)got the flute.
However, there was brutal combat in Okinawa in late World War II. Mr Masatatsu lost the copper mirror during the combat. Also, Mr Masahiro was a school teacher in the north of Okinawa called Yamahara, he built a house in Nago. He made living there. He had the flute in his house however he could not find it after he came back from the mountain he hid during the fight. All the house had been burned out.
Fortunately, although the copper mirror and the flute were lost during the war, the family genealogy and the sword were at Osaka so they have survived. After World War II, the Ukada family XVI (Hiromichi) has preserved them. The Ukada family kindly donated them to the museum.
Another Japanese sword is the one preserved at the museum. It is believed that the sword had been owned by Genga-wueki. The Genga-wueki was a tycoon in Nago-city in Okinawa. Wueki means a tycoon who had huge lands and properties. Now, the Nago-city government manages their historical buildings. The museum believes that the sword preserved is the one the King of Ryukyus awarded to the Genga-wueki. However, there are not many records about the Genga-wueki, such as the history of their family origin. It is said that the managed properties have been there since the 19th century however no one has been living for at least decades.
These two Japanese swords have no name on the swords. At that time, there is no swordsmith in Okinawa so these Japanese swords have to be brought from the mainland of Japan. Currently, someone says it is from the Kyushu area however there is no evidence. This time we would like to investigate these Japanese swords by means of neutron scattering techniques, to know these words better.
We have submitted a proposal to perform a neutron scattering experiment at J-PARC in November 2021. Hope we will have a chance to measure these two Japanese swords.
眞鍋淑郎氏とAntony Broccoli氏の著書『Beyond Global Warming: How Numerical Models Reveal the Secrets of Climate Change(地球温暖化を超えて:どのように数値モデルが気候変動の謎を明らかにするか)』の要約文章の日本語訳を書きました。この翻訳は私が個人的にやったものです。訳の間違えなどは私の責任です。この記事はPhysics Todayの2020年9月版の本の紹介セクションの文章を日本語訳しました(真鍋氏がノーベル賞を受賞したのは2021年)。 Physics Todayは、American Institute of Physicsの会員誌です。 1948年5月に最初に発行され、月次スケジュールで発行され、アメリカ物理学会を含む10の物理学会のメンバーに提供されます。非会員は、年間の有料サブスクリプションとしても利用できます。
以下が記事です。
眞鍋淑郎氏は1958年の秋にワシントンDCに降り立った。彼は東京大学で博士号を取得したばかりで、気候モデルを研究するためにアメリカ国立気象局に招聘されていた。彼はそこで1963年まで働き、その後プリンストンに新しく設置された全米海洋大気管理局の海洋大気研究室(Geophysical Fluid Dynamics Laboratory(GFDL))に移り、そこで彼の残りのキャリアをそこで過ごしている。真鍋氏と彼の同僚らはアメリカで最初の気候モデルを作り、真鍋氏はこの国において気候モデルの発展を主導した第一人者として知られている。Antony Broccoli氏は真鍋氏と1980年代に仕事をともにして、共に気候モデルを様々な古気候学事例、例えば最終氷期最盛期などに適用した。 その後Broccoli氏はRutger大学の環境科学科の教授として赴任している。彼らの新しい著書である『Beyond Global Warming:How Numerical Models Reveal the Secrets of Climate Change(地球温暖化を超えて:どのように数値モデルが気候変動の謎を明らかにするか)』は真鍋氏がパイオニアとして残した多くの重要な研究の進展に対する賛辞として世に出たものだろう。
この本はまず最初に真鍋氏の研究以前のこの分野の歴史と基礎科学について書かれている。最初の章では温室効果と地球温暖化を紹介し、スウェーデン人のSvante Arrheniusの19世紀での草分け的な研究について言及している。 Arrhenius は大気中二酸化炭素濃度の変化が地球表面温度に与える影響を最初に推定した人物である。そこから、本書は真鍋氏の研究にフォーカスを当てていき、真鍋氏の一次元的対流平衡モデルと大気大循環モデルの初期の進展について書いてある。
第五章においては真鍋氏とBroccoli氏が二酸化炭素濃度を二倍にした大気を仮定した最初のコンピュータ上の実験を含んだ初期GFDL大気モデルを記述している。その実験はいまだに今日の気候モデルの標準モデルになっている。真鍋氏は陸地と海上の混合層を現実的な分布をモデルで使った初めてのグループであり、その初めての試みは二酸化炭素変化が表面温度の空間分布の強い影響を与えたことを示した。
中盤では気候感受性にフォーカスしている。気候感受性とは気候科学者が二酸化炭素濃度を倍に押し上げたときに地球全体で平均してどれほど表面温度の平衡点があがったかで定義している指標である。6章では気候感受性に関係するいくつかの要因についての一般的な議論をしている。真鍋氏は雲を変数化していかに雲がいかに気候感受性に大きく影響を与えているか示した最初の科学者の一人であり、それは最新の気候モデルでも正しいことがわかっている。7章では1980年代中盤の真鍋氏とBroccoli氏が示した気候感受性が3.2度だと示したとされるGFDLモデルについて説明を加えており、著者は本書において現実の地球の気候感受性の値に近いものだと推測している。
最後の3章では気候における海の役割にページを割いている。第8章では真鍋氏が行った仕事とKirk Bryan氏が1970年代にGFDLで開発した海洋大循環モデルとの結合モデルについて議論している。真鍋氏とその同僚は初期のころに北大西洋の南方への強い逆転循環が二酸化炭素の濃度が上がることにより弱まっているということを指摘している。この結論は今でもすべての気候モデルの未来予測に組み込まれている特徴の一つである。9章では最終氷期最盛期の様に、気候が極端に冷えたときの海中の深層水形成への変化を推測していて、最後の10章では地球温暖化による海の表面温度上昇が水の蒸発が加速することで大気と海の間の水の循環がどのように加速していくかを議論しており、真鍋氏とBroccoli氏は乾燥地域がより乾燥し、湿潤地域はより湿潤していくことだろうと述べている。
私は唯一この本に同意できない点がある。それは8章の議論の中心になっているところの流入量(フラックス)の調整である。このフラックスの調整は気候モデルを構成する大気と海中の間で熱と新鮮な水のフラックスを任意に変えることができることである。初期のころに近年の気候状態が今後の状態と統合されているようなモデルとして維持するためにこのような調整が必要だったことは理解できるが、いくつかの改善されたモデル、そのうちいくつかはGFDL開発されたものも含めて、20年以上もその調整を入れずに計算を走らせることができてきた。その調整の必要性はモデルの不備を示唆しており、それには低い空間分解能、重要なプロセスにおけるパラメータ化がうまく行っていないこと、もしくは必要なプロセスが抜けていることなどが考えられる。私の意見では気候モデルではこのような任意のフラックス調整を入れずに気候モデルを走らせること方が好ましいように思うが、 真鍋氏とBroccoli氏はこの調整を支持し使い続けるようだ。
私はこの本を読むことができて良かった。また今まで私が読んできた気候に関する本とは全く違う。なぜなら真鍋氏は気候モデル開発者の中でも特別な存在で、他のどの気候本も真鍋氏の様に生涯を通して研究したものが書いた本ではない。Beyond Global Warmingは気候モデルを学びたい大学院生やポスドクには必須の教科書となるだろう。また気候に関して興味を持っているまたは今後の展開を理解したいどの物理学者にもこの本は興味深い本になるだろう。卓越した真鍋氏のキャリアにふさわしい本であり、私は強く読むことをお勧めする。
Peter R. Gent, National Center for Atmopheric Research, Boulder, Cololado
Peter R. Gent, アメリカ大気研究センター (NCAR Mesa Laboratory) コロラド州ボールダー