今回日本のある学会で会員の意見に記事を書かせていただけることになり記事の内容を色々と考えている。海外からの意見ということで私に声をかけていただいたと思うが考えてみると私自身かなり思うところがあるのでこれから自分なりに調べてきちんと記事にしたいと考えている。
私は現在は台湾の研究所からオーストラリアの研究所に派遣されている身である。台湾とオーストラリアとの間のアグリーメントのもと台湾の装置の管理と運営を任されている。なぜ台湾がオーストラリアに装置を作らねばならなかったかというとそれは台湾には研究炉がないためで、研究炉がなかったために台湾にコミュニティがない。特に我々が管理している装置は少し経験者向きの装置となりなかなか新しく入ってくる研究グループもなかった。
オーストラリアにいながら台湾のコミュ二ティを育てていく必要があるため人材育成に関してはかなり自分なりには考えて苦労して来た。私が生まれ育った日本がいかに先進国であったかつまり基礎研究をやってこれる余裕があった国かがわかったし、オーストラリアや台湾のような国の規模になると当然国家予算の中で基礎研究に割く割合も違うし絶対値が違うため当然応用に近いコミュニティが形成されることになるもわかった。学問をやるということはいかに贅沢かと。
日本の科学技術コミュニティは年々横ばい、ただし他の国がほとんど伸びているので日本は実質後退している。日本は先日ニュースでも注目論文の数が世界10位に落ちたということであるがGDPが世界第3位なのに10位くらいの成果しか出ないのはもう言い訳が通じるレベルではない。こういうことに関してはかなり調べたがもういっても遅いというかやるべきことは変わらないので時間は割かないが、かなり危機感を思っている。というか危機感を持つ時期はもう終わりでもうすでに衰退する既定路線に乗ってしまったという印象である。
人材育成については博士課程に行った人に給料が払われるかどうかとか?結局研究者の給料や待遇がよくなくなっているとか。また研究時間が確保されるかどうか?特に若手研究者の。また女性の比率が低すぎる日本の状況はどうにかならないか?台湾、オーストラリア、日本、アメリカやヨーロッパとの違いなど書きたいことは山ほどあり、とりあえず書かせてもらえることに感謝している。きちんと調べて書いている。一方で日本がうまくやっているというところもあり。これについても色々と調べて自分の意見をいっておきたいと思う。
まあ描き始めても書きたいことは山ほど出てくるだろうが、今回がスタートということで書いてみよう。また物理学者としてはどのようなスケールの話をしているか?どのスケールの問題を解決したいかによって変わってくる。自分が経験してきた主に海外での事情や政治的なことも書いてみて他の人に役立つ記事にしたい。そして自分でも何か実行していかなければ意味がない。日本の中性子散乱コミュニティもここから巻き返して欲しい。私は台湾とそしてオーストラリアその後に日本と時間が割けられる日が自ずと決まってくるがなるべくやれることはやりたいと思う。